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2015-05-09 00:00
(連載2)過剰マネーによる株高に米国が警告
中村 仁
元全国紙記者
黒田総裁が本当に頭を抱えているのは、安倍政権が財政再建計画を大幅に軌道修正する作業に入ったことでしょう。「消費税は10%で打ち止め、これ以上は議論を封印」、「財政健全化は高成長(実質成長率2%以上)を前提とする」という方針をメディアにどんどん書かせています。
この段階でもう早々と消費税10%以上を断念ですかね。OECD(経済協力開発機構)は対日審査で「日本は消費税15%に」との報告書を4月に発表したばかりです。安倍政権は選挙のことばかりに気をとられるようですね。その代わり、公共投資を増やして経済成長率を高め、税収を増やす。さらに歳出は社会保障を中心に切ることは切るという組み合わせです。
公共投資は国土強靭化の名のもとに、5年で70兆円計画(二階自民党総務会長)が浮上しています。日銀に国債に実質的に引き受けさせるのですね。70兆円の財政出動をすれば、その時点ではGDP(国民総生産)が増え、税収も増えることは増えます。問題は財政による景気刺激効果は、どんどん低下しており、増発した国債を回収できるほどの税収増は上がらないことです。
「財政出動による景気下支えで、税収も増やす」という選択を、政治は何度、繰り返してきたことでしょうか。効果があったように思えたのは、その当座だけのことでした。結果は無惨で、その挙句が国の長期債務(国債が中心)の残高が1,000兆円という先進国最悪の事態を招いているのです。また、架空の机上計算を振りかざして財政を悪化させるのでしょうかね。黒田日銀総裁はどう出るか。「国債を引き受けるにも、限度がある」と、安倍政権に正論を吐く決断力はあるのか。「日銀に積もり積もった国債を減らしていく出口戦略を考えていかなければならない」と、言い出す勇気はあるのか。相当に難しい局面を迎えました。(おわり)
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