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2015-03-05 00:00
(連載1)ピケティよりもブルデューか
緒方林太郎
衆議院議員
トマ・ピケティの「21世紀の資本」が日本で盛り上がりましたね。歴史的に一時期の例外を除き、資本収益率は経済成長率より高いという、結論が分かりやすかったので、取っ付きやすかったというのもあるでしょう。
日本で見ていて「?」と思ったことがありました。ピケティは左派フランス社会党のイデオローグでして、彼が話しているのを見るととても左派ワードのオンパレードですし、政策的な帰結は「累進課税の強化」です。そういう視点抜きに手放しで礼賛する傾向があるというのは、何処かに「(悪しき)欧米信仰」みたいなものが背景にないかなという気もします。あと、「21世紀の資本」は本国フランスではそこまでのベストセラーでもありません。何故かというと「それに類する分析はこれまでもたくさん見た」からだろうと思います。ある意味「何を今更」感すらあるかもしれません。格差の原因、固定化についての分析については、フランスはかなり先を行っています。
「21世紀の資本」よりも、今の日本の現状について参考になると思うのは、私は(既にお亡くなりですが)ピエール・ブルデューという学者の「再生産(Reproduction)」という本だと思っています。こちらの方が日本でよりウケるし、リアリティがあると思うんだけどな、と常々思っています。
これはとても簡単に言うと、お金持ちの子どもが進学で有利というのみならず、教養・習慣等の文化資本が学歴に影響することを証明しています。そして、子供も親の文化資本を相続し、同じく高学歴→高収入になるという感じです。ブルデューが「文化的再生産」と呼ぶものです。(つづく)
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