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2015-03-02 00:00
(連載2)日銀にはそろそろ「出口」を考えてほしい
中村 仁
元全国紙記者
物価上昇率は、いろいろな要因で決まります。金融政策で方向性に影響を与えることはできても、きっちり「2年、2%」を約束するというのは無謀です。意気込みは買うけれども、また「近い将来に2%」というのは目標ならいいにしても、「2年」という期限まで明示することに、多くの経済、金融専門家は首を傾げ、懸念してきました。
原油が予想以上に下落し、物価が上がらなくなっている、とか正副総裁の周辺は言っています。国内物価といっても、海外要因に大きく左右されるのに、なぜ国内金融政策だけで物価上昇率が決まると考えてきたのか、不思議でなりません。副総裁は「電車の時刻表のようにきちんといかない」とか、最近、いっていますね。元大学教授はこれまで何を研究してきたのでしょうか。本人がここで辞めても、辞めなくても、景気情勢にはマイナスの影響も、プラスの影響もでないでしょう。プラスの効果があるとすれば、現実を知らない学者には、中央銀行のトップは務まらないということを世間に知らせ、今後の教訓にすることでしょうか。
黒田総裁についてもいえることがあります。物価上昇率は景気の体温であり、健康な体に戻して体温も正常になったかを計ってみるというならば、意味がありますね。かれらが今、やっていることには、むきになって温度計だけを懸命に温めているというおかしさがあります。だから国民が歓迎する原油安(輸入物価の下落を通じて国内物価も押し下げる)が「2%目標にとって都合が悪い」という本末転倒の反応がでてきてしまうのです。
そもそもインフレには、二つの類型があります。景気がよくなって需要が高まり、物・サービスが売れやすくなり、価格も上がるタイプ(デマンドプル型)と、円安などで輸入資材が上がり、国内価格も上がるタイプ(コストプッシュ型)があります。特に後者を消費者は歓迎できません。これをごちゃ混ぜにして「とにかく物価が上がれば」と願っているのが、彼らの経済学(リフレ派)です。資産バブルの懸念も浮上し、日銀の審議委員や日銀内部に「そろそろ出口(異次元緩和の打ち切り)のことを考えねば」という反省が出てきたことは歓迎できます。(おわり)
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