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2015-02-13 00:00
安保法制審議の見通し
緒方林太郎
衆議院議員
題のようなことが私に見通せるわけもないのですが、最近、何となく「どんな法律が上がってくるか」ということは想像が付くようになりました。まず、先の特別国会で岡田克也代表代行(当時)が提出した質問主意書と答弁を見てみたいと思います。質問では相当に細かい具体的事例について質問しています。そして、答弁を見てみると、基本的には原則論が書いてあって、それ以上のことは「個別具体的に判断する」ということになっています。
ここから法案の中身が見えてきます。つまり、法案には「交戦中の機雷掃海をやります」とかいったことは何処にも出てこないはずです。一般的な権限付与と原則が書いてあって、それは原則との関係で適合するのであれば権限の範囲内でやるし、適合しないのであれば出来ない、それだけなんだろうと思います。その個別具体的な事例に即して判断するという裁量権がかなり総理や政権に委ねられている、というのが法律の構造だろうと思います。亡くなられた岡崎元タイ大使が「歯止めはその時々の政権そのものが歯止めだ。変な政権を選んだら、国民が不幸になる」といったことを言っておられましたが、今から振り返ってみて「ああ、そういうことが言いたかったのか」と思います。
だからこそ、現時点で具体的事例について、与党内で見解の違いが生じるのです。与党間協議の時に、時折「あてはめ」という言葉が出てきました。当初、何のことかピンと来なかったのですが、法律に書く権限や原則とそれを具体的な事例に「あてはめ」る話とを分けながら議論していたということです。当初は4事例、15事例等を出して「あてはめ」の議論からスタートしましたが、具体的に閣議決定案、法案を議論し始めてからは、事例の是非の検討から(少なくとも一部)方針転換したようにも見えます(最初に具体的事例を出して世論喚起をした後、そういう方向に持っていくという絵姿を最初から描いていたのかもしれませんが、外部からは分かりません)。
まだ、具体的な法案が上がってきていないので何とも言えませんけど、そういうものが上がってくるのだという前提で国会論戦に臨まなくてはならない、という心構えだけは出来ると思います。
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