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2014-12-22 00:00
(連載3)STAP細胞、シェーン事件とあまりに酷似
中村 仁
元全国紙記者
わたしもさっそく本屋で、数々の受賞歴があるこの本を買いました。確かに、ベル研を理科学研、シェーン(30歳前後、ドイツ人)を小保方、超伝導をSTAP細胞と置き換えると、全くといっていいほどストーリーは同じになります。パトログ博士(超伝導研究の大家)に相当する人物も今回、おりました。論文発表の舞台になった科学誌「サイエンス」、「ネーチャー」はまったく同じです。
捏造が発覚したのは、「二つの論文をよく見比べてください」という密告電話が、著名な物理学者のもとにかかり、グラフの使いまわしを見つけたのがきっかけです。今回の事件でも、二つの証拠写真を重ねると、映像がまったく同じでした。「うっかりして」という言い訳まで、2人は共通しています。この本は、欧米では研究の不正、捏造事件が多発しており、米国が政府に研究公正局を設置した経緯にもふれています。
さらに「他人の不正を追及しようとすると、膨大なエネルギーをとられ、自分の研究がストップしてしまう」、「最先端の分野であればあるほど、同じ分野に秀でた研究者は少ない」、「内部告発しても、不正がないことが分ったら告発者は生きていけなくなる」、「そこで米国では告発者の名前を伏せて、研究公正局が摘発に取り組んでいる」などと、指摘しています。
最先端科学はカネになる、研究所や研究者間の競争は激烈、短期間に成果をだすよう求められるなどで、不正研究・捏造がおきる構造、体質が生まれているようですね。シェーン事件も小保方事件も起きるべくして起きたともいえます。日本政府も科学界も理研も、そういう意識がまだまだ希薄ということでしょうか。犠牲者をひとり血祭りにあげて、幕引きというわけにはいきません。(おわり)
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