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2014-12-18 00:00
(連載2)「格差社会」が再編野党の対抗軸になる
中村 仁
元全国紙記者
安倍政権が円安問題を重大視していないのは、中小企業、消費者よりも大企業を中心とする輸出企業を優先せざるを得ないということなのでしょう。「2%インフレ」の目標は、実質的には「2%のインフレ税」にあたり、1,000兆円もの国家債務を毎年20兆円相当も削減する効果があります。増税は簡単に国会を通りませんから、財政危機を救うにはこうした手しかないのかもしれません。別の道を選ぼうという考え方はあるかもしれません。それを対抗軸として野党が考え、提示していけばよいのです。
3つの格差に続く次の問題は、テロです。パキスタンでタリバンが学校を襲撃し、無差別銃撃をしました。豪州でも「イスラム国」に共鳴したテロリストの破壊活動がありました。その背景には、世界規模の格差拡大もあるでしょう。政治的動機を背景にした軍事的テロばかりが現代のテロではありません。自然界の暴走というべき集中豪雨、豪雪も人間社会に対する報復活動です。CO2を際限なく放出し、気候変動を自ら招き、われわれの生命自体が脅かされています。これも言葉を変えれば、自らが呼び込んだテロでしょう。
もうひとつ、人間みずからが招いているテロがマネー・テロです。金融危機がきた、デフレの危機がきたといっては、世界各国は過剰なマネーを市場に放出してきました。それがバブルを生成し、いつかは崩壊する、あるいは弱体化した国を投機筋が狙撃するということが繰り返される時代に入りました。ロシアのルーブルの暴落はその一例です。原油下落で米国のシェールオイルの開発企業の業績が悪化し、社債や借り入れの返済が困難になり始めるかもしれません。その中で、リーマンショックを招いたサブプライム・ローン問題(不良な住宅ローンの証券化の破綻)、ひいてはリーマンショックが再現するというシナリオもささやかれています。その背景に、行き場を失った過大なマネーが危険な地雷原にしばしば踏み込み、暴走するという問題がありますね。金融危機は外部からくるのではなく、自ら招いているのです。
「3つの格差」や「3つのテロ」は、どうしようもなく、その道に踏みこまざるを得ないように追い込まれてしまったという面も、あるにはあります。そこから抜け出すにはどうしたらよいのか。ようするに人間社会の選択の問題です。別の選択はないものなのか。そのことを考えるべき時がくるに違いないと思いますね。(おわり)
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