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2014-12-14 00:00
(連載2)ノーベル賞授賞式で見た希望の星
中村 仁
元全国紙記者
パキスタンでは1冊の本さえ与えられない子供が無数にいるというのに、日本はどうでしょうか。本があっても「1月に1冊も本を読まない人は47%」(文化庁調査)にのぼります。書籍は年間、7万5千冊(1日あたり200冊以上)も出版され、その40%が書店から返品となり、断裁(廃棄)されます。マララさんの演説から、人間の意志と計画があれば、この欠乏と過剰をつなぐ方法があるはずだという思いが浮上してきます。現代社会の矛盾を17歳の活動家につかれました。
物理学賞の3人の日本人科学者は、世界の将来への希望を想い起こさせてくれました。日本人の粘り強い頭脳、研究が青色発光ダイオード、さらには白色ダイオードの開発の成功をもたらしました。これで発光効率は100分の1になり、「21世紀の光源」として普及し、省エネルギーの面で、まだまだ活用の余地があるといいます。久しぶりに日本人の自信を取り戻させてくれました。
表彰式でみせた3人3様の人間像の対比が見事でした。天野浩さん(54)の浮かべた表情からは、ノーベル賞受賞の喜びの大きさが伝わってきました。こんなに率直に喜びを表現した受賞者はまず少ないでしょう。この日本人に感銘を覚えたのは、われわれ日本人ばかりではないでしょうね。中村修二さん(60)は金メダルへの感想をたずねられ、「だだの金属ですよ」。これには驚きました。赤崎勇さん(85)は体調をいたわっていることもあり、終始、控えめながら、気品に満ちた知性を感じさせました。そっと付き添う3夫人の美しい着物姿といい、世界に新たな日本人像を焼き付けてくれたことでしょう。
人間の意志と知性が多くの困難を解決し、新たな世界を開拓していくことへの可能性を凝縮して、われわれに見せてくれた瞬間でした。(おわり)
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