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2014-12-13 00:00
(連載1)有権者はどんな判断を示すのか
尾形 宣夫
ジャーナリスト
衆院選の選挙戦が終わった。実感としては「終わってしまった」である。今度の衆院選は、何とも私たちをその気にさせてくれなかった。そのくせ、妙に結果が気になって仕方がない。白けた有権者はどんな判断を示してくれるのだろうか。様々な世論調査どおり政権与党が大勝するのか、あるいは有権者のバランス感覚が最後に働いて程々の結果となるのか、大いに楽しみにしている。最終日の13日夕、最寄りの駅前に行って見たが歳末の人込みはあったものの、選挙を感じさせる光景はなかった。寒空に身をさらしながら待っていたが無駄だった。
どうしてこうも選挙戦が盛り上がらないのか。党首や党幹部が来れば聴衆は集まるが、聞く側に熱いものが感じられない。盛り上がらなかった理由をいくら考えても、答えは一つしかない。解散に誰もが納得していないからにほかならない。解散権を持つ首相が自ら「アベノミクス解散」と言ってのける傲慢さに、多くの有権者が「独り芝居」を感じ取ったからだろう。解散の名称は、その解散の意義や政治的、社会的背景から絞り出す絶妙な民意を言葉にするのが普通なのだが、首相にはそんな常識が分からなかったようだ。
首相は国際会議に出席した折の講演会で「バイ マイ アベノミクス」と得意気に売り込んだ。日本経済は今やデフレから脱却し景気回復の先導たらんと気負って見せたのである。だが、そのアベノミクスなるものは2度にわたる異次元の金融緩和で外為市場での急激な円安と日本株式の高騰を実現したが、円安で輸入物資に頼る生活物資がみるみる高騰、官製春闘でせっかく手にできた少しばかりの賃上げも消えてなくなってしまった。
首相が「この道しかない」とアベノミクスを取るか、さもなくばやめるかを迫っても有権者は戸惑うばかりだ。株高、円安で大手輸出企業が史上空前の利益を上げる一方で、円安は中小・零細企業の経営を直撃している。アベノミクスの恩恵を全国津々浦々まで届けると言われても、疲弊する地方に春風がいつ吹くのか見当もつかない。(つづく)
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