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2014-12-06 00:00
(連載2)有権者の本音が見えない
尾形 宣夫
ジャーナリスト
中身のなさを象徴的に示したのが、公示日にともに原発事故被災地の福島入りした自民、民主両党首の演説だ。長期政権の足場を固めようとする首相はアベノミクスで景気回復の道を切り開こうとばかりに景気一色。さらに「福島の復興なくして日本の再生はない」とアピールしたが、言葉に目新しさがない。汚染水対策にめどは立たず、放射能汚染土の処分場はいつになったら地元の了解が得られるのか見当もつかない。復旧、復興事業は消化しきれない公共事業に追いやられて、せっかくの地元の知恵も生かされない。それでも、首相の口からはアベノミクスの効用が続く。
海江田代表の訴えもパッとしない。アベノミクスを「一握りの人たちの景気回復」と厳しく批判して流れを変えるチャンスだ、子育て支援や雇用の安定をと訴えるのはいいが、被災地を元気づける具体策はない。原発再稼働に突き進む政権批判でも、2年前の野田政権の「原発事故の収束宣言」が頭にあるせいか、再稼働に思い切って切り込む覇気が感じられない。安倍、海江田両氏もポイントを突いたかに見せて、その実、中身のない話に終始した。
今度の総選挙は、安倍政権に言わせれば「アベノミクス解散」だが、どう見ても安倍首相が言うような「アベノミクスを取るか、やめるか」を問う選挙でないのは明らかだ。総選挙が公示された2日の夕刊各紙の紙面を思い出してみよう。
中央各紙はもちろん1面トップ扱いだったが、見出しは毎日新聞が「安倍政治を問う」であり、朝日新聞も「安倍政権2年評価焦点」だ。政権寄りを鮮明にする読売新聞は逆に「アベノミクス継続問う 景気、消費税争点に」と、政権に好意的な見出しで始まっている。共同通信加盟紙の地方紙はほとんどが「安倍政治」を柱に据えている。つまり、紙面から判断するかぎり、今度の総選挙はこの2年間の「安倍政治」を問うと見るのが自然だろう。にもかかわらず、冒頭に記したように「自民圧勝」を予測する世論調査に沿って有権者意識を推し量れば、たとえ消極的であろうとも、国民は2年の「安倍政治」を認めるということになる。(つづく)
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