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2014-12-04 00:00
(連載2)安倍首相が語らない真意
中村 仁
元全国紙記者
多くの学者も唐突な解散といいます。「政策的に行き詰まっていない、任期の半分にも満たない時点での解散は唐突である。与党が勢力を伸ばすことも考えにくい」と、待鳥聡史京大教授は指摘した上で、「なぜ」と考えます。「決められない政治から脱皮を有権者は歓迎している。その継続を望むかどうかを総選挙で問おうとしている。期待感の強さを確認する選挙だ」と解釈します。さらに、地方統一選、参院選など、今後の大型選挙を前に「機先を制し、政策過程での主導権を維持しようとしている」とも指摘します。
河野勝早大教授は「圧倒的に大勝すると、次の選挙で議席を減らすというパターンが確立している。従って安倍氏の決断は異常で非合理なようにみえる」といいます。さらに「与党勢力が大きいほど、解散までの期間が長くなると、多くの議席を失うとの懸念にとりつかれる」と、権力者に見られる心理状態を観察しています。今回はまさにそうなのかもしれません。早く解散をやってしまいたいというのは、政治権力者の焦りからくるものなのでしょう。有権者にとってはこれも迷惑な話です。
「今回の早期解散は、政権のパフォーマンスが今後、落ちるとのシグナルだという見方がある」というのが、加藤創太国際大教授です。問題はそこから先にあり、有権者が「政権自身が自らパフォーマンスの低下を予想している、と勘ぐられると、支持率が下がる。そうなると、自民党は当初の想定ほど議席をとれないかもしれない」と、主張しています。それぞれ安倍首相側の心理、動機を解明してくれていて、一読の価値はあります。「なるほど」と思うと同時に、議席で勘定すると、何議席なら勝ちなのかという疑問がわきます。待鳥教授は「選挙結果の意味づけは事後的な解釈にゆだねられるというリスクがある」というのです。
安倍首相は「過半数をめざす」といいます。野党の立ち遅れをみると、自民の過半数割れはまずないでしょう。そんな低い数字を勝敗ラインにしたのは、「どんなことがあっても、おれは辞めないよ」という意思表示なのでしょう。そうはいっても、安倍政権が信任されたか、されるかどうかは、国会における野党の出方、自民党内の動き、メディアの評価などに左右されるのでしょう。議席数が現状(自公で326議席)より、3、40前後も減るとか、投票率が50%前後(前回59%)まで下がったりするとかすれば、とても信任されたとはいえないでしょうね。(おわり)
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