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2014-11-24 00:00
(連載2)安倍首相と黒田総裁にすき間風
中村 仁
元全国紙記者
黒田総裁の心境をさらに推測すると、「異次元緩和による消費者物価の引き上げが思うようにいっていない」ということでしょうか。「2年で2%上昇させ、デフレから脱却」の目標に対して、その結果はどうでしょう。最近では1%程度に逆戻りの気配です。その一因は原油安です。ガソリンが下がって消費者からみて歓迎できる下落なのです。それが「とにかく中身を問わず、2%目標の達成を」の日銀にとっては歓迎したくはないような気配です。国民の間で、「2%至上主義」に疑問が生じてきていることに、日銀は不安を感じだしているに違いありません。
急激な円安に不安を抱きだした人も多いでしょう。安倍政権の発足前後から、1ドル80円程度が120円程度まで円の価値が落ちてしまいました。これほどの円安でも輸出は伸びず、その一方で、生活関連物資、中小企業関連の物資が値上がりしています。黒田総裁は円安歓迎論者です。それに対し、麻生財務相が「円安のテンポが速すぎる」と批判論を唱えました。ここでも政府・日銀のすきま風を感知できます。海外から「日本は円安誘導をしている」との指摘は高まるでしょう。日本は為替操作をしていると、見られると、やっかいなことになりますね。
財政再建が遅れても、すぐに国債金利が上昇するというわけではありません。そのツケは後から必ずやってきます。長期国債の発行残高の40%を日銀が保有しています。国は歳入の40%が国債発行に依存し、日銀をあてにした国債政策は壁にぶつかります。
海外のマネー市場では「こんな状態が数年、続いたら、日本は円、株、国債のトリプル安に見舞われる」という、物騒な疑念が聞かれるようなっております。異次元緩和と財政再建の歯車がかみ合い、経済が好循環の局面に早く入らないと、この疑念は杞憂に終わらないと、黒田総裁は察知しているのでしょう。アベノミクス、異次元緩和にとって猶予期間はあまりないのです。(おわり)
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