ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2014-11-16 00:00
(連載2)消えてしまった解散・総選挙の争点
中村 仁
元全国紙記者
次に、最大の争点で与野党の対立は消えてしまいました。与党も、主だった野党も増税先送りなのですから、増税を先送りにすることは選挙の争点ではなくなってしまいました。なんのために選挙をやるのでしょうか。政権側は軽減税率(生活必需品の税率を低くする)の導入を示唆しています。野党も軽減税率に賛成ですから、これも争点になりません。有権者は何を基準に投票していいのか迷うことになります。困りましたね。
景気が悪化していれば、増税を取りやめるという景気弾力条項(消費税法)を削除し、17年4月の引き上げは何が何でも実施するという決意を表明するという案も、政権側にはあるようです。どうなんでしょうか。弾力条項を削除したところで、国会が改めて消費増税の先送り法案を作り、成立させれば、先送りできます。この条項は気休めみたいなもので、実質的な争点にはなりえません。
報道によると、アベノミクスの効果で税収が増えており、増税を先送りしても、赤字国債をその分、発行しなくても済むという見通しがあるとのことです。景気対策で税収が増えれば、その分、国債発行額を減らしていくのが本筋です。税収が順調だから、増税を先送りするという論理は変ですね。懸命に働き、増えた収入で借金(国債)を減らすべきなのに、それを飲み食いに充ててしまうようなものです。すくなくとも増税を見送るなら、景気対策の補正予算は組んでいけません。
まとまりのなかった野党は、いいチャンスがきたとばかりに、野党の一本化の動きが浮上してきました。大阪の橋下市長も国政選挙にでるような構えを見せています。どうやら寝た子を起してしまったようなところがあります。消費税が争点から消えると、野党は安保法制、原発再稼動、政治資金の不正流用などを争点に仕掛けてくるかもしれません。これらは与党がもっとも嫌がる問題です。安倍政権は本当に熟慮して解散を仕掛けているのでしょうか。論理的にきちんと説明するのが難しい道に迷い込んでしまったのではないでしょうか。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム