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2006-12-18 00:00
東アジア・エネルギー・環境協力の展望-期待と不安
諸澤 宏
大学院生
当政策掲示板「議論百出」に10月3日付けで投稿された池尾愛子氏の「東アジア・エネルギー・環境協力の可能性」を拝見しました。それに触発されて、私の感じたことを2つほど述べさせていただきます。
第一に、いかにして東アジア地域におけるエネルギー獲得競争を解決するかです。1990年代末以降から頻発している南シナ海における、中国とASEAN間での領有権をめぐる紛争は、石油資源をめぐる周辺国の争いであるともいえます。日中間にも、東シナ海でのガス田開発をめぐる問題やロシアの石油天然ガスを取り込むパイプライン敷設をめぐる問題があります。今後、東アジア諸国は相互のエネルギー戦略の違いをどのようにして克服していくのでしょうか。
第二に、エネルギー安全保障の問題意識を東アジア地域の国々がどこまで共有できるかです。東アジア地域の他地域への石油依存率が急増しています。特に中東地域への依存率の伸びが顕著です。中東情勢の不安定化に鑑みれば、石油資源獲得先の分散化は急務です。また、東アジア地域での石油備蓄協力枠組みの構築や省エネ技術の伝播が急がれます。東アジア地域において、エネルギー問題は一国だけの問題ではなくなってきていますが、エネルギー協力の必要性の認識を地域内諸国はどこまで共有することができるのでしょうか。
池尾氏は「もし東アジア共同体を形成するのならば、それはまず機能的な性格を持つ協力関係から始めるべきであり、その対象はエネルギー・環境対策であるという点について、かなりの合意があるとみてよい」と述べています。しかし、上述した日中間における東シナ海のガス田開発問題やパイプライン敷設問題をみても、そこから協力・協調の合意や結論に達することは決して容易ではありません。東アジア・エネルギー・環境協力の展望には、期待と同時に不安があることを認めざるをえません。
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