ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2014-09-26 00:00
(連載2)「小国主義」と「大国主義」の相克
中村 仁
元全国紙記者
世界全体が「小国主義」の世紀にはいったならともかくです。中ロが「大国主義」を掲げ、軍事力を行使しながら東シナ海での権益を拡充し、あるいは親ロシア派武装集団を使いながらウクライナにおける権限の割譲を求めるという時代環境のなかでは、「小国主義」はかれらを喜ばせますね。とはいえ、欧州では、ベルギー(フランドル地域)、スペイン(バスク自治州、カタルーニャ自治州)などで、独立運動がある地域が多くあります。独立まで至らなくても、地方分権と地方自治を進めていかざるを得ないことでしょう。
「小国主義」は、世界経済の方向舵だったグローバリゼーション、マネー市場化、サービス経済化の、ある意味では、当然の帰結であるのかもしれません。世界市場の拡大により、強い国はさらに強く、強い企業はさらに強くなり、高所得層はさらに多くの富を得て、格差が増幅されました。経済成長に勢いがあった時代は、不平や不満が覆い隠されました。デフレないし、経済成長率の低下化で、経済の水深が下がってくると、矛盾が一気に水面上に浮上してくるのですね。
暴力と恐怖で勢力圏を広げる「イスラム国」には、米欧やイスラム圏から数千人の若者がもぐりこみ、帰国すればしたで、テロをやりかねないといいます。そんなことが現実のものになれば、欧米社会は地獄です。その背景には、格差の拡大、底辺に落ち込んだらはい上がれないことへの若者の不満があるといわれます。
米国のジョージタウン大のキング教授は「国家を超えた話し合いの場がこれほど必要とされながら、実現しないことは、いまだかつてなかった」(日経・経済教室)といいます。「米国が強力な指導力を発揮すれば済むような話でもない」とも指摘します。恐ろしい時代が続くのでしょうか。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム