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2014-09-19 00:00
(連載2)朝日新聞叩きのヒステリー
中村 仁
元全国紙記者
次は新聞業界です。創業以来の危機をみずから招いた朝日をこの際、痛めつけようとの意図がありありですね。活字離れ、新聞離れが死活問題になっている業界にとって、朝日問題はそれこそ千載一遇のチャンス到来なのでしょう。朝日と社論で対立してきた読売、産経新聞は紙面でも、販売面でも、いきり立っているようですね。朝日の社論、編集方針の全面否定ならともかく、営業面(販売面)で朝日に攻勢をかける道具に使おうとするなら、「新聞界はそんなところか」という失望を買うことでしょう。すでに多くの読者が「やりすぎではないか」と、感じているようですね。
さらに週刊誌、月刊誌の朝日攻撃は、活字媒体間の近親憎悪がいかに激しいかを見せてくれています。毎号、ヒステリーのような大特集を組み、9月25日号では「うわべだけの謝罪を喝破する」、「謝罪会見で見せた謝らない体質」(週刊新潮)、「木村社長に辞任勧告スクープ」、「足を引っ張りあう社会部対特報部」(週刊文春)などです。
朝日は総懺悔しています。なにを書いても、反撃してこられないとみてとって、どんな材料でも朝日悪者説に結びつける品のなさですね。まともな読者は辟易して、「週刊誌というのは、そんなレベルなのだ」と、思い込ませることに役立っていますね。10月は新聞週間が設けられている月で、新聞大会(全国の加盟社による新聞業界の祭典)も開かれます。記念講演はドナルド・キーンさんの「文字離れと未来‐新聞の役割」です。座談会は「新聞界が直面する諸課題」です。朝日事件は皮肉なめぐり合わせとなりました。
昨年の新聞大会の決議には、新聞の役割として「民主主義を基盤としての権力監視、的確な論評と解説、公正な歴史の記録者」などが指摘されています。これにまったく反する事態を招いています。特に朝日は、他紙も朝日事件を教訓に、「公正な歴史の記録者」とは何かをあらためて、想い起し、メディアとしても信頼回復に務めなければなりません。(おわり)
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