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2014-09-12 00:00
(連載2)天津発展区訪問
池尾 愛子
早稲田大学教授
次の訪問先の企業は高新区に立地している。先の工場から最寄り駅までタクシーで移動した。天津では軌道交通路(メトロ)が整備されつつあり、市街区では地下にもぐって電車が走る。鉄道はまだ整備途上ではあるが、駅改札では手荷物検査機の導入が計画されている。ナイフ、鋏、爆発物、ガソリンなど可燃物の持ち込みが禁止されるという。北京の地下鉄と同様の制限がかけられるそうだ。実際、北京の地下鉄改札口で、小さな果物ナイフを没収されたという人を知っている。経済技術発展区から高新区まで、途中で9号線から3号線に乗り換えて、各駅停車で1時間半以上かかり、当初の約束の時間に遅れてしまった。
電車がタクシーと時間で競争するためには、快速列車を走らせるべきであろう。それでも、欧州系合弁企業の工場で大型発電機や風力発電機の部品の生産工程の一部を見学し、中国人技術者から話を英語で聞いて、工場マネジメント方式の相違を感じ取ることができた。閑散とした大通りでタクシーが私たちを見つけてその場で止まってくれるまで、工場を出てから30分近く歩くことになった。工場わきには、従業員の送迎用と思われる大型バスが何台も止まっていた。
南開大学のシンポジウム参加者たちの間で、私たちの発展区訪問が話題になった。省エネや環境対策に、ポスターの配布や掲示は有効ではないかという意見があった。上海ではポスター作製はしていないらしい。確かに、地方の行政機関がポスターを作成して配布するほか、行政機関内でもポスターを掲示すれば、省エネ・環境対策は徹底できるかもしれない。
これまで、北京政府が省エネ・環境対策を打ち出しても、地方政府がそれに従っていないという噂が伝わってきている。地方政府が省エネ・環境対策のポスターを作成し掲示すれば、そうした汚名を返上できるのではないか。そのほか、土日に集中して行われた結婚式では、連続打上げ花火が路上でよく使われていた。20秒くらい勢いよく打上げられるだけかもしれないが、曇天の土曜日にはとくに、花火の煙がスモッグを濃くしているように見えた。煙の少ない花火の利用が勧められるのではないだろうか。(おわり)
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