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2014-09-09 00:00
(連載1)仏の対ロ強襲揚陸艦引渡延期に思う
緒方林太郎
前衆議院議員
フランス政府が、ウクライナ情勢にかんがみて、強襲揚陸艦ミストラルのロシアへの引渡しの延期を表明しました。強く反対していたイギリス、バルト三国、アメリカ等はこれを評価するコメントを出しています。
さすがに現下の状況において、引渡しは困難と判断したのでしょう。ただ、正確には「引き渡すための条件が揃っていない」、「11月まで引渡しの中止」ということでして、11月になって様相が異になっていれば引き渡すこともありうるということです。実際、建造を止めるわけではありませんし(そもそも1隻目のヴラディ・ヴァストークはほぼ出来上がっている)、既にサン・ナゼール港で400名規模で研修を行っているロシア兵の研修を止めるわけでもなさそうです。
本当に全部止めてしまうということになると、契約価格12億ユーロの内既に支払われた3/4である9億ユーロの返還のみならず、違約金(10億ユーロ規模とのこと)の負担も生じます。これまでサン・ナゼール港で雇用してきた1000人規模の雇用も今後は危うくなるということになります。その分は、フランスの貿易保険であるCOFACEが保証していくことになるでしょうが、とてつもない金額なので、巨額の公費負担が生じるのは言うまでもありません。
報道を読んでいると、フランスは今回の契約停止が他の武器輸入国に与えるイメージをかなり懸念しています。フランスの武器産業はあまり芳しくないですからね。こういうポリティカル・リスクがあるということになれば、お得意さんが離れていく可能性があるのは言うまでもありません。それでなくても、フランスは中東、アフリカあたりの「ちょっとヤバそうな国」をお得意さんとしていますので。(つづく)
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