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2014-09-01 00:00
世界の平和への願い
川上 高司
拓殖大学教授
8月初め、イスラエルとハマスはエジプトの仲介で72時間の人道的停戦に合意した。ガザ地区ではすでに2000人に近い犠牲者が出ており、しかもそのほとんどが子どもという事実に国際社会は強くイスラエルを非難している。逃げ場のないガザの人々は国連が運営する学校など避難所に身を寄せていたが、イスラエル軍はこのような国連学校すら空爆し多数の民間人が犠牲になっている。安全なシェルターはどこにもないのがガザの現実である。
8月3日日曜日にはイスラエル軍は再度国連学校を空爆し10人の民間人の犠牲者と多数の負傷者を出した。国連学校が避難所であることはイスラエル軍にはあらかじめ伝えてあったため、潘国連総長の怒りは頂点に達している。潘国連総長は「道徳的に許されない暴挙であり犯罪だ」と強いことばで非難し、アメリカ国務省も「恥ずべき行為」と強い表現でイスラエルを非難するコメントを出した。これ以上イスラエルをかばいきれないというアメリカの苦しい立場が見て取れるコメントである。
軍事的にはイスラエルはハマスを圧倒しているが、世界的な世論はイスラエルに非難が集中している。8月2日、ホワイトハウスの前ではシカゴ、ニューヨーク、フロリダなど全米各地から集まった数千人がデモ行進をした。また、テキサス州の首都でもイスラエルを非難するデモが発生、「テキサスはガザの味方だ」とのプラカードが掲げられ、州議会議事堂を目指す多くの人々が列をなした。パリでは1万人を超えるデモが起こりイギリスでは各地でデモが発生、ヨルダン、アイルランド、インド、ベネズエラなど世界各地の市民が立ち上がっている。さらにイスラエルの首都テル・アビブでも数百人の反戦デモが発生し14人が逮捕された。
いったん振り上げた拳を降ろすことは難しい。政治的に戦闘を止めることはできなくても世論が止めることはできるかもしれない。昨年9月にはシリア攻撃を止めるのに大きな影響を与えたのは世界中の人々の平和への願いだった。再び世界中の気持ちが平和へと集束すれば、悲惨な戦闘を終わらせることができるかもしれない。
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