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2014-08-07 00:00
(連載2)STAP細胞で第二の犠牲者を出すな
中村 仁
元全国紙記者
理化研は、女性研究員や笹井副センター長らの個人に責任をとらせることで、幕引きをしようとしてきたのではないか、と疑いたくなります。さっさと、かれらの退職や辞任を認め、精神的にケリをつけさせ、あらたな人生選択をできるようにしておいてあげれば、特に能力が極めて高いとされる笹井氏の悲劇は回避できたかもしれません。理化研には重大な責任があります。とくに、改革委員会から退任を勧告された竹市センター長は、なにを思っているのか、映像から見るかぎり、平然としています。
野依理事長も、理解に苦しむ対応ぶりですね。貴重なエースを失いながら、「驚愕しております。世界の科学界にとって、かけがえのない科学者を失ったことは、痛惜の念に耐えません」とのコメントは、なんでしょうか。今回の問題では、正式の記者会見には、4月ころ、確か1度出たきりで、それも「論文の書き方、研究の仕方、指導がひどすぎる」というような発言でした。トップとしての、責任は感じていないようでした。すくなくとも、今回の自殺では、理事長が直接、姿をみせ、哀悼の意を示すべきでした。いずれ、理事長をやめるでしょうし、やめて責任を取らなければなりません。ノーベル賞の名が泣いていることでしょう。
それにしても、科学界は不可解、非常識なところですね。女性研究員の出身大学は、博士論文にコピー、ペーストによる丸写しが多く、「不正」と判定しながら、博士号を剥奪しませんでした。「下書きを誤って提出してしまった」との、言い訳にならない言い訳を真に受けたふりをしました。「理化研批判、渦巻く学会。異例の見解相次ぐ」(8月2日の読売新聞夕刊)など、厳しい世論に対し、「あらたな疑義も調べている」(理化研理事)と、平然としています。感度が鈍いのか、常識がないのか。
米国では、保健福祉省に研究公正局を設け、この種の問題がおきると、そこが早速調査に乗り出すそうです。各国とも、最先端の研究開発に多額の予算を投入し、国際競争を制しようとしています。そこでは、特許料や利権収入を目当てにする不祥事や不正も少なくありません。カネが絡んできますから、不正というより、もう事件なのですね。科学界や理化研の当事者能力のなさを思うと、こうした機構が日本でも必要になってくるのではないでしょうか。(おわり)
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