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2014-08-02 00:00
(連載3)新聞界は、軽減税率につき説明責任を果たせ
中村 仁
元全国紙記者
白石発言が触れなかったいくつかの重要な論点もあります。列挙してみましょう。
・消費税引き上げを契機に、新聞購読をやめる読者は少なくないと思います。今、月々4000円弱の購読料のうち消費税は約300円です。負担は決して小さくありません。では、4月の消費税引き上げ(3%)の結果、どの程度の部数が失われたのか。そのデータは公表されていません。
・毎年、地方紙一社分もの発行部数(10年で600万部)が減り、経営が苦しい新聞社が増えております。新聞社は非上場で経営の実態がよく分りません。新聞を公共財として軽減税率の適用を求めるなら、消費税が圧迫している経営状況を公にしていくのが、新聞界の責務だと思います。
・新聞社が自ら始めたネット新聞の影響です。若い世代の活字離れを後押ししているのが、ネット新聞とその背後にある情報伝達のネット化です。新聞もその流れを無視できず、新聞のネット化に力をいれています。その影響はどの程度なのか。最もネット化が進んでいる日経新聞は、多数の有料購読者を獲得し、会社全体の経常利益は朝日新聞に並ぶほどです。ネット新聞は紙の新聞の足元を侵食することが分っていても、ネット化に取り組む。その矛盾をどう考えるか、です。
・軽減税率の適用によって、税収はどの程度、減るとみられるのか。軽減税率が適用されても、仕入れ(紙、インク、燃料費、輪転機、その他の機器など)には標準税率が適用されます。仕入れにかかった消費税をどう購読料に上乗せするのか。横並びだった新聞価格は、新聞社によってかなりばらつきがでるようになるのか。標準税率でなくなることで、やっかいな問題もでてきますね。
世論調査では、軽減税率の導入を70%が支持しています。恐らく新聞にも適用されることになるでしょう。そのためには、新聞界が説明責任を果たすべき論点はいくつもあります。みずからに厳しい説明責任を課すべきではないでしょうか。(おわり)
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