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2014-08-01 00:00
(連載2)新聞界は、軽減税率につき説明責任を果たせ
中村 仁
元全国紙記者
白石会長は「新聞は知識水準の維持・向上、文化の発展、ひいては民主主義を守る必需品だ」と述べ、その指摘には、わたしも賛成です。新聞より幅をきかせているようなテレビの報道番組でも、キャスターにとって新聞は必読の存在であり、新聞論調の影響を強く受けていると見られます。知識社会、情報社会の基軸のひとつが新聞であり、健全な新聞は必要ですね。白石会長の発言には、これまで新聞界が触れてこなかった部分があり、「どきっ」と思ったところがあります。軽減税率を適用する新聞の範囲を「1回の発行部数にしめる発売部数が8割以上」とするとの部分は極めて重要な意味を持ちます。
新聞記事(7月30日の読売新聞)では、発言の要点だけ伝えていましたので、新聞協会のホームページを開いてみました。「声明、見解、新聞界の動向」のところで白石発言が載っております。新聞記事並みかそれ以下の要約に過ぎません。怠慢ですね。発言のもっと詳しい説明が必要です。これまで新聞界は発行部数に触れることはあっても、発売部数に触れることはまずなかったように思います。この二つを使い分けているところを見ると、発行部数は印刷部数、発売部数は実売部数(実際に読者が買った部数)を指しているのでしょう。協会のホームページには「新聞の発行部数4699万部、一般紙4312万部」などとなっており、発売部数(実売部数)の紹介はありません。
新聞界では、これまで発売部数(実売部数)に触れ、それを公表することは、最大のタブーでした。白石会長はそのタブーに踏み込む決断をしたと受け取れますね。コンビニや駅売りでは、相当数の返品があります。その部数は大して大きくないので、発行部数と発売部数の実質的な差は、新聞販売店に直送した新聞の売れ残りに相当します。それを2割以下とすることを示唆した白石発言は大きな波紋を呼ぶことでしょう。直販制をとっていれば、売れ残りが少なくなるはずです。そのわりには、「2割」の差とは相当に大きな数字ですね。発売部数を基準にしている広告収入に影響がでるかもしれません。
そこまで発言をしたからには、今後、新聞界の実売部数、各社ごとの発売部数を公表していかなければなりません。その大きな差(販売店に滞留した部数)こそが新聞社や販売店の経営を圧迫している、というのが業界の常識です。公共財として軽減税率の適用をうけるからには、その差がどこからきているのか、収益をどの程度、圧迫しているのか、の説明を求められます。(つづく)
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