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2014-07-18 00:00
ベネッセ事件:個人情報管理の甘さを放置
中村 仁
元全国紙記者
進研ゼミなどで知られるベネッセの顧客情報流出事件は、個人情報の管理強化、転売業界の取締りのいいきっかけにしてもらいたいと思います。事件の中心がベネッセという知名度抜群の企業、国民の関心の高い子供の情報、流出した情報の規模、名簿転売業界の広がりの大きさといい、いずれも最大級です。取り締まりを強化するには格好の大事件となりました。出入りしていた派遣会社のシステム・エンジニアが逮捕されました。ベネッセ問題にとどめてはいけません。ほとんどの人が自分の個人情報が不正に流通していることに憤りを覚えてきたでしょう。急いで電話口にでると、さまざまな商品の勧誘を長々と聞かされます。すぐ切ると嫌がらせを受けるといけないと思い、しばらくは聞いてあげてから、電話を切ることにしているのではないですか。
しつこい勧誘には、電話口に携帯ラジオを近づけ、番組をお聞かせして差し上げます。「もしもし、もしもし」といらだち、先方から電話を切ってくれます。 「どこからわたしの名前と電話番号を知りましたか」と質問すると、「名簿業者からです」と、素直に返事する業者もいます。不正に取得した個人情報がおれおれ詐欺にも使われているでしょうから、無関心でいられません。広がりが極めて大きな問題の氷山の一角に過ぎません。
ベネッセの社長はこの6月に交代し、日本マクドナルドの会長だった原田氏が就任しました。この人が報道機関のインタビュー(11日の読売新聞)にこう答えました。「高度なセキュリーティー(防犯対策)とログインシステムがあったので、(容疑者)を絞り込めた。他者に比べ、欠陥があったための事故だとは思っていない」、「システムで二重、三重パスワードのをかけても、その人たちが結託したら、情報は盗める。最後は人の倫理だ」といいました。さらによせばいいのに「今まで以上にいい商品をつくり、いいサービスをすることが本当の信頼回復だ」と、いい放ったのです。
ついでに申し上げますと、「今まで以上にいい商品、サービスをする」は、このタイミングでいうべき言葉ではありません。動揺する社員や証券市場向けの言葉です。コンピューター業界、システム関係に詳しく「自分はプロの経営者だ」という自負がありすぎたのでしょう。軽い発言をしました。まず、動揺する子供の親の心を思う発言を強調すべきところです。盗んだ情報を買った企業はどうでしょう。そのひとつ、ジャストシステムという企業は、評価も高い著名企業です。少量ならともかく、何十万、何百万という大量の顧客情報を「不正に入手した名簿ではない」という説明を真に受けて、買ったとは思えません。「情報の出所は問わない」が、この世界の慣行なのでしょう。「盗品と知らずに買った」ではすまされません。買う側がいるから、この種の世界が成立するのです。買った側の追及も不可欠です。
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