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2006-11-22 00:00
核発言について
長谷川 和年
元大使
中川政調会長の核保有発言が大きな波紋をおこしている。問題の発言は「選択肢として核ということも議論としてはありうる」との趣旨で、政調会長ご自身が「私は核武装反対論者である」と言っておられる。私は、日本は被爆国として、非核三原則を絶対に守るべきだと信じているが、核の議論をすることは非常によいことだと思う。
日本の総合的安全保障に関する議論、検討の過程で、万一核武装案が出ても、非核三原則を国是とする日本政府は、これを政策として採らなければよい。他方、日本は米国の核の傘の下にあるが、いったん戦争があった場合に、この米国の核が如何なる模様で発動されるのか。その場合の戦略、指揮権はどうなるのか。核に関する議論を今までしていないように、これらの極めて重要な問題は今まで、議論、検討されてきていないのではないか。核防衛の問題も含めて、核について議論する時機に来ているのではないか。わが国の近辺に核兵器を有する非友好的な国が存在する今日、これは当然のことと愚考する。
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