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2014-05-25 00:00
(連載2)日本は戦略的思考を持て
中村 仁
元全国紙記者
この会議のメンバーをみると、アフガン、イラン、トルコ、タイ、ベトナム、インドなど26カ国で、日本、米国はオブザーバーです。「中国が自己宣伝する場にすぎない」、「放っておけばいい」、「中国は勝手なことをして、どこが信頼醸成会議だ」と、批判が日本では噴出するでしょう。「中国主導型のアジアの新秩序の形成なんか、とんでもない。おれはいやだね」、ですよね。「中国モデルがアジア各国で主流のモデルになることは絶対にない」も、事実でしょう。しかし、そこで終わらないから問題は深刻なのです。
中国は米国に「これからの国際秩序の形成は(G2、米中)で行こう」、「太平洋は二分し、アジア側は中国の影響圏とする」などと、水面下で持ちかけつつ、習主席は「アジアは中国主導で」旨の宣言するなど、言いたい放題です。尖閣問題で日米が連携を強化したり、米国とフィリピンが軍事協力を復活させたりするのをにらんでいるのでしょう。環太平洋経済連携協定(TPP)には国家資本主義の中国は入るに入れず、世界各地で進む自由貿易交渉から取残されていることへのあせりもあるのでしょう。
とにかく中国は自国をめぐる国際情勢が不利になってくると、これでもかこれでもかと、対抗措置を打ち出してきます。経済力、軍事力の飛躍的拡大を背景にあれこれ画策しているうちに、習主席の前ではプーチン大統領が小者に見えたり、内政で頭がいっぱいのオバマ大統領の影が薄くなっているのですね。中国はしたたかで、強引で、その一方であれこれ権謀術数にのっとり、行動しているのでしょう。
日本は、厳しい国際情勢が続く時代になったことを自覚し、国としての一体感が失われないようするとともに、さまざまな対抗措置を打ち出していかねばなりません。目先の身近な問題ばかりに気を奪われてはなりませんね。中国を批判するばかりでなく、戦略性、したたかさ、国際情勢への敏感な反応などは、日本としてもっと学ぶべきですね。(おわり)
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