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2014-03-01 00:00
(連載1)プーチン大統領の訪日に幻想を抱くな!
袴田 茂樹
日本国際フォーラム「対露政策を考える会」座長
欧米の首脳が欠席する中、安倍首相が2月7日の「北方領土の日」に、返還要求全国大会で挨拶したあと、強行スケジュールでソチ・オリンピック開会式に出席し、プーチン大統領は非常に喜んだ。両国首脳の信頼関係も深まり、今秋のプーチン大統領の訪日も具体化しつつある。日中、日韓関係などが緊張している時だけに、日露関係の改善は喜ばしいことだ。では、手放しで喜べるのか。著者は、わが国のある国際政治専門家から「安倍首相はプーチンに騙されているのではないか」とストレートに尋ねられた。
ロシアとの関係強化は必要だが、同国への対応に関しては、北方領土問題絡みで複雑な要素がある。メドベージェフ首相の国後訪問(2012年7月3日)直後の日本側のロシアへの友好的な態度(2012年7月28日の日露外相会談)が、韓国や中国に対して間違ったシグナルとなり、わが国の対外政策に甚大なダメージを与えた事例もある。秋のプーチン訪日と日露首脳会談に向けて、わが国の対露政策を考えたい。
欧米首脳がソチ五輪の開会式に欠席したのは、プーチン政権の人権問題への対応などを批判しているからだ。また、閉会式前日にはロシアが支援する親露的なウクライナのヤヌコビッチ政権が崩壊したが、親露的なヤヌコビッチ政権の権威主義や腐敗、またEUとの連合条約拒否などに対しても、欧米諸国は厳しい目を向けている。日本がプーチン政権に対して欧米と対照的な態度を取っているのは、緊張した日中、日韓関係があることに加え、プーチンによる領土問題解決への強い期待があるからだ。この点に関しては、わが国に大きな幻想があると思われるので、以下、その点をはっきりと指摘しておきたい。
先日の2月18日にはロシアとエストニアが国境線確定条約に調印した。日本の各メディアは一斉に「プーチンは領土問題解決の強い意欲をもつ」と伝え、「ロシアが抱える主要な領土問題で残っているのは、北方領土問題だけだ」と報じた。著者もあるテレビ局から、「プーチンは中国やノルウェーと面積折半で領土問題を解決した」として、「北方領土問題解決の可能性をどう思うか」とのインタビューを受けた。質問の含みは、日本に対して「引き分け」とか「妥協」を強調しているプーチンは、北方領土問題でも「面積折半」とか「3島返還」などの一定の譲歩を考えているのではないか、というものだ。私は「日本に流布しているそのような見解は、残縁ながら日本側の一方的な幻想であり、領土問題に対するプーチンの態度は、我々が考えるよりはるかに厳しい」と述べた。その理由を以下に説明しよう。(つづく)
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