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2014-02-04 00:00
日本政府は国民から北方領土解決の妙案を集めたらどうか
飯島 一孝
ジャーナリスト
プーチン大統領の年内訪日の先陣を切って31日、東京で日露次官級協議が行われた。この1年の領土交渉を占う会談は予定時間を上回る約9時間にわたったというが、進展の糸口がつかめたのだろうか。詳しい内容はわからないが、双方の主張の隔たりは大きく、溝は埋まらなかったようだ。この際、日本政府は広く国民から解決の妙案を集めたらどうだろうか。協議は午前と午後に分かれて行われ、午後は平和条約問題、つまり北方領土問題を集中的に討議したとされる。今回の協議に関するロシア側の報道は見つからないので、日本側のブリーフを元に類推するしかないが、戦後の歴史を踏まえながらお互いのこれまでの主張を繰り返したとみられる。
日本側は北方四島が日本の固有の領土であることを前提にした上で、四島の帰属確認を求め、それが認められれば返還時期は柔軟に対応すると主張している。これに対し、ロシア側は第二次大戦で旧ソ連が四島を占領したことを前提に議論するよう求めている。ここまではジャブの応酬で、その先は双方が知恵を出し合い、いかに双方が納得できるような妥協案を絞り出すかにかかっている。過去の交渉は主に冷戦時に続けられてきたが、今は国際情勢がガラリと変わり、中国の台頭を日露がどう抑えるかが最大の問題になっている。その上、シェール革命でロシアはエネルギーの販路をアジアに求めなければならない状況にある。今の状況は日本にとってフリーハンドが広がる有利な状況で、これをいかに交渉に活かすかが日本側の腕の見せどころといっていいだろう。
最終的には安倍晋三首相とプーチン大統領との首脳会談で決めることになるが、それまでの段階で日本の外務省や国会議員が知恵を絞り、現実的で双方の世論が受け入れられる案をまとめる必要がある。具体的にはロシア側の2島と日本側の4島の中間で、双方にとって魅力的な解決案を提案できるかだ。
そのためには、官僚や議員だけでなく、広く民間の学者や有識者の意見を聞く必要がある。外務省はとかく「外交は外交官がするもの」という固定観念に縛られがちである。だが、外交官に任せた結果、戦後70年近くたっても一向に解決する兆しが見えないのが実情だ。この際、政府は思い切って広く国民に解決案を求めるべきではないだろうか。
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