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2014-01-22 00:00
(連載1)即脱原発と実現可能性
緒方 林太郎
前衆議院議員
東京都知事選で「即脱原発」が課題となっています。いつも思うのですけど、「即脱原発」というのは政策ではありません。それだけでは「スローガン」です。それをどう具体的な政策に落としていくかというのがなければ、スローガンはスローガンで終わってしまいます。そういう中、よく再生可能エネルギーの可能性について取り上げられます。私も将来のある分野だと思います。どんどん推進していくべきだと思います。ただし、コスト感覚は必要です。以下、とても雑ですが再生可能エネルギーについて、思うところを書いておきます(記憶に依拠しているところが多いので間違っていたらすみません。)。
まず、地熱ですが、これは九州電力の八丁原発電所が有名です。私の記憶が正しければ建設費は220億円で、10万Kwの出力があります。ただですね、九州電力の方と話していると、地域の温泉組合等との調整はとても大変です。本来、温泉を掘る深さと地熱発電所が地下水をくみ上げる深さは全く違うので、地熱発電所が地下水をくみ上げることによって温泉の湯量には差が出ることはあまり想定されないそうですが、それでも平素から非常に九州電力の方は地域の方との協議に非常に骨を折っておられます。今、国立公園、国定公園等での規制緩和が進んでいますけども、温泉があるから、おいそれと近くに発電所を作れるものではありません。
さて、九州電力の玄海原子力発電所3号機が建設費4000億円、118万Kwの出力です。これと同等のものを確保しようとすると、単純計算ですと建設費は少し安くできるのかもしれませんが、そもそもこの九州にあの八丁原と同じ発電所を作ることが出来る場所を12個見つけて来いと言われるとそれは無理があります。しかも、10万kwの出力を出せる場所は他にはないでしょうから、発電所数はもっと必要になるでしょう。そして、そういう場所には新規に電線を引かなくてはいけませんから、これもコスト上昇要素です。
次に風力ですが、これは一番有望なのは多分青森と秋田の日本海側辺りではないかと思います。その他にも有力な場所はたくさんあるでしょう。ただ、これも一般的に電線が通っていない地域が多いです。そこから電線を引くための費用等を考えるとそんなにお安いとは思えません。また、風力も何処でもやれるというわけではありません。音がうるさいといった事情もありますので、人様が住んでいる近くではやれないでしょう。何となく、しりあがり寿さんの「あの日からのマンガ」と重なるものがあります。(つづく)
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