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2014-01-14 00:00
(連載2)語義と相場観
緒方 林太郎
前衆議院議員
なお、例外的に使われるような強い表現かというと、カーニー報道官(Jay Carney)の名前と“disappointed”で検索を掛けると、昨年だけでも結構な回数のヒットがあります。例外的とまでは言えないはずです。なお、多いのは財政問題についての共和党対応に対する“disappointed”です。
印象的だったのは、ロシアによるスノーデンへの庇護については必ず“extremely”が付いていました。これはオバマ大統領まで上げて、決裁を得た表現のはずです。直感的には、今回の“disappointed”についてはオバマ大統領の決裁を得ているものと思われます。
ただ、日本は同盟国ですから1ランクくらいは表現を弱めているのではないかと思います。と考えると、ホワイトハウスの真意としては「これくらいの表現で収めておいた。」ということかな、という気はします。日本の一部には色々と曲解をした上で、「それ程の不満の表明ではない。」という向きもありますが、素直に「不満の表明」と受け止めておいた方が無難でしょう。一番良くないのが、“disappointed”に「不満である」、“regret”に「残念に思う」、“concern”に「懸念」の表現を当てて、それで日本語的に議論することです。意外にそういうのが罷り通っているのを見ると、それこそregrettableです。
最後に一言。あまり、一言一句を追わなくてもいいと思うのです。単に「アメリカが不満に思っていることを表明した」、それだけです。アメリカにとっては、世界によく起こる揉め事の一つです。アメリカ国内で盛り上がっているわけではありません。中国の記者が国務省記者会見で“disappointed”の意味を聞いていましたけど、答えは「辞書を調べてください」でした。したがって、それを気にするかどうかは偏に日本国内の問題です。(おわり)
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