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2014-01-13 00:00
(連載1)語義と相場観
緒方 林太郎
前衆議院議員
総理の靖国参拝に対する、アメリカの”disappointed”という声明はどの程度の言葉なのかと最近よく聞かれます。語源的には、「任を解く」くらいの意味です。appoint(任命する)に否定辞の「dis」が付きますので。それが転じて、「期待に応えられない」、「不満だ」みたいな意味になっています。いずれにせよ、何らかの不満の表明であることには間違いがありません。
アメリカ側から見ると、昨年末のバイデン副大統領の日中韓歴訪の主たる目的の一つは「三ヶ国で上手くやってくれよ。」というものだったと思うのですが、歴訪が終わるや否や揉めていて、「だから言ったじゃないか。」といったところでしょう。アメリカとしても、あれくらいは言わないと中韓との関係でマズいと思ったはずです。
それはともあれ、Googleで”whitehouse”、”disappointed”と入れて検索しました。多分、外務省も同じことをやって、「大体、言葉の相場観はこれくらいです」と総理ブリーフをしたはずです。以下は私の根気の続く範囲で調べてみたものです(なお、発言主体は必ずしもオバマ大統領ではありません。)。
(1)ロシアがスノーデンに庇護を与えたことは”extremely disappointed”、(2)ロシアでプッシー・ライオットが有罪判決となった時は”disappointed”、(3)北アイルランドで昨年末までに和平交渉で合意が得られなかったのは”disappointed”、(4)イランでアメリカ人ジャーナリストが禁固判決を受けたことは”deeply disappointed”、(5)イランのロウハニ大統領が、国連でのオバマ大統領との二国間会談を断ったことは”not disappointed”、(6)中国のWTO交渉での強硬姿勢には”disappointed”。(つづく)
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