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2006-11-06 00:00
安倍首相訪中と政治の道徳
伊藤 英成
元衆議院議員
「政治は最高の道徳である」。これは古代ギリシャの哲人アリストテレスの言葉である。
安倍首相が10月8日訪中し、日中首脳会談が成功裏に終わったとき、私はこの言葉を思い出した。昨年、私は、ある雑誌の巻頭言に「戦後60年こそ日中関係改善へ」と題し、日中関係改善のための方策をいくつか提言した。その拙文の最後に、私は「良き首脳会談、首脳関係はやはり最高の外交手段である。その実現のために、両国首脳や関係者は、今こそ国益のために早急に実行していただきたい」と結んだ。
かって、中国外交部の戴秉国現外交部筆頭次官が中国共産党中央対外連絡部長でおられたころ、私は同氏から「日中関係はどのようになるとよいと思うか」と少なくとも二度ほど意見を求められたことを思い出す。私はその度毎に、私の関心事であった同じ考えを述べた。「日中の首脳が定期的に或いは必要なときはいつでも直接会ったり或いは電話で話しまた相談する、そんな関係になることです。日中間のこと、アジアのこと、世界のことなど」と。
安倍首相が首相就任後先ず中国を訪問したことは、閉塞感漂う日中関係ならびにアジア外交などを考えれば極めて妥当な行動であったと、私も思う。安倍首相は訪中したおり、日中間で長く棘のような存在であった靖国神社参拝問題について、首脳会談後の記者会見で「靖国神社の参拝については、私の考えを説明した。そしてまた、私が靖国神社に参拝したかしなかったか、するかしないかについて申し上げない、それは外交的、政治問題化している以上、それは申し上げることはない、ということについて言及した。その上で、双方が政治的困難を克服し、両国の健全な発展を促進するとの観点から、適切に対処する旨述べた」ということである。
「適切に対処され」、その結果今後の日中関係はおそらくよい方向で推移していくものと確信するが、そのときやはりまた私が思い出すのは「政治は最高の道徳である」という言葉である。良好な首脳関係はお互いの深い信頼関係を基に成り立つ筈である。心から期待したい。
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