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2013-12-20 00:00
(連載)皇室外交(2)
緒方 林太郎
前衆議院議員
ちょっと日本の感覚からすると分かりにくいかもしれませんが、特に中東の王族の感覚からすると、首相というものは「その時の政治情勢で偶然その場にいる人」といった見方に近いです。皇室の一員が訪問されるのと、首相や大臣の訪問、どちらをより歓待してくれるかといえば、それは間違いなく皇室です。欧米でも似たようなところがあります。ブルボン朝以来、王族が事実上いないフランスでも、漠然とではありますが「皇室的なもの」に対する憧れのようなものがありました。
しかもです、特に中東においては、王族が政治的な権力を有しています。皇室訪問によって、「結果として(目的として、ではなく)」政治的関係が著しく改善されるということはよくあることです。繰り返しますが、あくまでも「結果として」です(政治的利用をすべきという意図がないということを明確にするために強調しておきます。)。
政治的な思惑抜きに訪問していただくこと自体に政治的な重みと意味がある、ということの意味合いは普通に我々が考えるよりも遥かに大きいのです。ここまで来ると、そもそも何処を訪問するかを内閣が選ぶ行為自体が政治利用ではないかというご批判もあると思いますが、そこまでを日本国憲法が排除しているとも思いません。
なので、皇室の方で外国訪問のご希望がある場合、どんどん行っていただくのがいいと私は思います。この皇室外交は官邸、特に官房長官に外交センスが求められます。(おわり)
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