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2013-12-09 00:00
(連載)防空識別圏へのミラーアタック(1)
緒方 林太郎
前衆議院議員
中国の設定した防空識別圏については、色々な外交上の問題が生じています。昔から防空識別圏の問題というのは存在していて、例えば、かつて与那国島の一部が台湾の防空識別圏に入っていたといった話もありました。ところで、私は(斜め45度くらいの)ミラーアタックでこの防空識別圏に対して、日本もある措置を講ずればいいと思っています。それは日中間の大陸棚の問題です。これは昔から考えていたことなのですが、検討に値するのではないかと思います。
今、東シナ海においては、日中間で大陸棚の問題が生じています。日本は中間線を主張しており、それを堅持しています。中国は、(既に国際法の世界ではスタンダードではない)自然延長論を主張して、沖縄トラフ(中間線よりも日本よりの部分で海底が沈んでいる場所)までが自国の大陸棚だと主張しています。自然延長論というのは、基線から自然に大陸棚が継続して伸びているところまでがその国の大陸棚だという主張でして、1970年代頃までは通説でしたけど、その後、中間線の方が通説になっています。なお、中国はベトナムとの間では自然延長論ではなく中間線を主張しており、ダブルスタンダードなのですが、それはここでは踏み込みません。日本はかねてより、中間線のところから一歩も譲っていません。たしか、福田内閣の時だったと思いますが、当時の谷内外務事務次官(初代NSC局長と目されている方)が相当に頑張って中国を押し返しました。中国は中間線を認めていませんが、かといって中間線を越えて出てくることはしていません。日本側関係者は本当によくやっていると思います。ここでの外務官僚の頑張りは、国民の皆さまから評価されていいです。さて、ここで日本の国内法制度がどうなっているかを見たいと思います。ベースは「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」です。
第2条(抜粋)は次のように定めています。 第二条 我が国が国連海洋法条約に定めるところにより沿岸国の主権的権利その他の権利を行使する大陸棚(以下単に「大陸棚」という。)は、次に掲げる海域の海底及びその下とする。
一 我が国の基線から、いずれの点をとっても我が国の基線上の最も近い点からの距離が二百海里である線(その線が我が国の基線から測定して中間線を超えているときは、その超えている部分については、中間線(我が国と外国との間で合意した中間線に代わる線があるときは、その線及びこれと接続して引かれる政令で定める線)とする。)までの海域(領海を除く。)(略)
さて、カッコが多くて読みにくい法律ですけども、大体、こんな感じで読んでください。(1)本来は200カイリまでが日本の大陸棚。(2)他国の大陸棚とぶつかる時は中間線。(3)ただし、別途合意がある時はその線。私はこの法律は問題があると思っています。それは、日中間のように、双方が200海里まで主張すると大陸棚がぶつかっていて、かつ、現時点では合意がない場合は中間線となっている場合、日本は国内法上マックスで中間線までしか主張できないのです。とすると、中国は沖縄トラフまで主張しているわけですから、仮に国際海洋法裁判所等に出ていった際、下手をすると中間線と沖縄トラフの間(したがって、中間線よりも日本側)で解決が図られる可能性なしとしません。(つづく)
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