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2013-12-08 00:00
プーチン大統領の不支持率、初めて30%を超す
飯島 一孝
ジャーナリスト
プーチン大統領の不支持率が、2000年に大統領に就任して以来、初めて30%を越したことが世論調査機関レバダ・センターの最新の調査結果から分かった。昨年5月の大統領復帰以来、国民の間で長期政権への不安感が広がり、その結果、支持率の長期低落傾向が続いているとみられる。3日付けのロシア経済紙ベードモスチ(電子版)によると、今回の調査は11月15~18日までロシア全土で行われた。その結果、大統領の不支持率が31%となり、過去最高だった昨年11月の29%を上回った。支持率は47%で、そのほか16%が大統領に不満を示している。
また、プーチン大統領の印象を尋ねたのに対し、52%が「好ましい」と答え、「好ましくない」と答えた人は29%だった。「好ましくない」が29%にも達したのは今年3月に続いて2回目。第一次プーチン大統領時(2000~08年)に「好ましくない」と答えた人は最高でも15%だったので、ざっと2倍に増えたことになる。この調査結果についてレバダ・センターのグラジダンキン副所長は「昨年11月と今年11月の指標を比べると、違いはそれほど大きくない。支持率の低下傾向は長期的な観点からみられるが、月単位の変化は地域的だ」と分析している。
一方、政治学者のパジャロフ氏は「この秋の支持率低下は大統領だけでなく、メドベージェフ首相にもみられるが、大統領の低下の方が大きい。これは予算審議の中で、食料とガソリンの価格が高騰するという悲観的な見方が出たことが原因だろう」とみている。ベードモスチ紙の記事では、大統領の支持率低下の理由ははっきりしない。大統領を「好ましい」と見る国民が過半数に上っていることから、記事の中では「国民の大統領に対する全体的な印象は肯定的だ」と書いているが、昨年10月時点でも大統領の支持率は60%以上あったので、大きく低下していることは明らかだ。
プーチン大統領は今年9月、内外のロシア研究者を集めたバルダイ会議で、5年も先の次期大統領選に立候補する意向を示唆した。現在、大統領任期は6年間なので、2期12年間務めることを目指しているとみられ、第一次大統領期と首相勤務を合わせると、事実上24年間も指導者の地位に居続けることになる。今回の世論調査結果は、こうした長期政権に対する国民の無言の抵抗といえないだろうか。
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