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2013-11-06 00:00
日露の2プラス2:安保問題でロシア側の攻勢目立つ
飯島 一孝
ジャーナリスト
日露両国は2日、東京で初の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開き、日米のミサイル防衛(MD)など戦略的関係で踏み込んだ対話を行った。ロシア側が急きょMD問題を巡り定期協議を申し入れるなど、安保面でロシア側の攻勢が目立つ初舞台となった。2プラス2は通常、同盟国あるいは親密な国同士が開くもので、ロシアもこれまで米英仏伊の4カ国としか開催していない。日本としては米国、オーストラリアに次いで3カ国目。しかも、平和条約さえ結んでいない国との対話だけに初めての経験といえる。
今回の対話で日本側が想定外だったのは、ロシアが日米のミサイル防衛問題を持ち出し、日本にMD問題で定期協議を申し入れたことだった。そこで、今回の協議をロシアのメディアがどう伝えているかをタス通信の報道から見てみたい。それによると、日露の国防相がMD問題で協議することが終了後の記者会見で明らかにされた。これに関連してショイグ露防衛相は「日本も加わって米国でMDシステムが開発されているが、アジア太平洋地域での戦略的バランスが崩れる可能性があり、憂慮している。今後の協議でこの問題についての評価と結論を共有したい」と述べた。
タス通信はさらに、岸田外相が会見でロシア側から日本政府の“積極的平和主義”について理解するとの表明があったことを指摘。「我々は協議の中で安保・防衛面での相互信頼システムを構築するために有益な意見の交換を行った」と述べ、今回の協議を評価したと伝えている。ロシアはMD問題で米国と対立、米露間の火種となっているだけに、日本側としては触れられたくない問題だろう。だが、こういう協議をロシアとやるからには避けて通るわけにもいかない。今後は米国とも相談しながらロシアと協議していくことになろう。
懸案の北方領土問題では、外務次官級の協議を再開することで合意したが、ロシア側の態度は固く、来年に予定されているプーチン大統領の来日までは進展が望めそうもない。だが、あらゆる機会を通じて領土問題で理解を求める必要がある。日露の2プラス2は初回から、ロシア側に安保問題で押し込まれる場面があった。ロシア側はこうした協議に慣れているし、タフな交渉を得意としている。今後2プラス2は東京とモスクワで交互に行われるが、日本政府の真の外交力が問われる場となるのは間違いない。
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