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2013-10-11 00:00
(連載)TPPの国内対策(1)
緒方 林太郎
前衆議院議員
TPPで、日本が92.4%の関税撤廃率を提示したようです。「これまで一度も撤廃したことがないもの」に踏み込みました。概ねこれまで私が書いてきた方向で動いています。どの政権がやっても、こういうふうになるのです(自動車等の日米二国間交渉については不本意なところがありますが)。
今の自民党を見ていて「羨ましい」と思うのは、政権や与党の中でのTPP賛成派の方のコミットメントが強いことです。そして、政府部内、党内を纏める方向に動いていることです。民主党では、党内議論で賛成の論陣を張る方が少なかったです。党内プロジェクトチームでは、いつも反対派の方から「賛成派は一人もいないじゃないか・・・、ああ、そこに緒方さんがいますね」と言われたものです。仮に私がいなければ、党内検討の場が全部反対派ということがたくさんありました。政治の世界に「サイレント・マジョリティ」なんていないのだ、という良い勉強をしました。
そういう泣き言はともかくとして、現状を再褐しますと、日本が聖域と呼んでいる5品目が関税分類では586品目、聖域以外で関税をなくしたことがないのは農林水産品248品、革製品など工業品95品目です。これら929品目すべての関税を維持すれば、それ以外の関税を全廃しても自由化率は89.7%。今回、日本が92.4%を提案するために929品目のうち240品目程度を関税撤廃の対象にしたはずです。何を含めたかは想像がつきませんが、工業品の皮革や国内生産の少ないもの、関税率の低い水産、林産品あたりが対象になっているのではないかなと思います。
報道から見る限り、政府部内では「何を撤廃対象にするか」について相当に検討が進んでいるようです。これから「輸入実績のない加工品」についても撤廃に向けた議論をしていくとありました。輸入実績がなくても、原材料の国内生産があるものがたくさんありますから、そうそう簡単ではありません。ただ、一つ一つ緻密な作業をしていけば、まだ撤廃対象に出来るものはあります。(つづく)
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