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2013-09-25 00:00
(連載)軽減税率の難しさ(2)
緒方 林太郎
前衆議院議員
ましてや、今回のケースのように家屋のエネルギー使用効率化といったところまでが入ってくると、この軽減税率は高度に政治化するでしょう。ありとあらゆる業界団体が、「うちについては軽減税率を」ということで、永田町、霞が関を要望活動して回る姿が容易に想像できます。そこに暗躍する人間も出てくるでしょう。
民主党が当初の思いとして「租税特別措置法は利権の温床だから止めさせる」と言った政策を打ち出していたのは、租税特別措置法による減税はあくまでも時限なので、期限が来る度に恒例行事のように延長を要望することが利権の温床になるという思いがあったからです。ただ、民主党が腰折れになったのは、租税特別措置法の廃止は「増税」を意味することをよく分かっていなかったことです。実は2009年民主党マニフェストは「増税」を訴えていたのですが、その重みに耐えられなかったということです。
話を元に戻しますが、多分、日本で軽減税率を導入すると、限界事例や政策判断を要するものについて裁定する委員会を設けないといけなくなるでしょう。その作業は膨大なものがありますし、その委員会の独立性を担保するのは至難の業です。イギリスの外交官と話していたら、「うちの国ではその手の委員会は政治から一番遠いところに置いてある」といったことを語っていました(具体的には知りませんが)。
消費税が上がってくる時の低所得者対策、更には仕入れは上がるけれど、自分の提供する製品、サービスについては消費税が免除されている業界(例えば医療)についてはきちんと対策を講じるべきだと思います。ただ、それが軽減税率なのかというと、その考え方自体はとても良いと思うものの実務上は大きな困難が伴う上に、第二の租税特別措置法になることは確実ですので、導入には及び腰になってしまいます。例えば、所得の正確な把握というハードルはあるものの、「給付付き税額控除」というのは本当に有力な方策だと私は思います。(おわり)
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