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2013-09-14 00:00
(連載)TPP交渉の「聖域」の定義(2)
緒方 林太郎
前衆議院議員
(2)については、今の日本の政策では「ある品目にちょっとでも引っかかるものはすべて守る」ということで、特定の品目を保護するための網が非常に広範に掛かっているということがあります。私がいつも例で出すのは「メープル・シロップ」です。是非、各自のご経験と味覚に照らして考えていただきたいのですけど、日本の砂糖産業を守るためにカナダからのメープル・シロップに高い関税を課している必要があると思いますか。もう一つは「スキー靴」。日本の皮革・靴産業を保護するために、あまり皮革の使用が多いとも思えない「スキー靴」に関税を維持する必要があるでしょうか。昔から書いていますけれど、こうやって一つ一つ(血の滲むような努力をしながら)撤廃可能なものを洗い出していく作業が求められると思うのです。
まず、(1)のスクリーニングを掛け、そして、残ったものについては(2)の作業をやっていけば、結構な関税撤廃可能な品目が出てくるはずです。逆に言うと、そこで残ってくるものは「守るべきもの」と位置付け、断固として守るという発想に立つべきです。正にそこに真の「聖域」があるわけです。そして、その取組をやれば「十分に戦える」だけの足腰が備わってきます。
「これまで一度も関税撤廃したことがないもの」=「聖域」のアプローチでは絶対に上手く行きません。すべての政府関係者は分かっている話です。多分、最終的には(上記のようなアプローチかどうかはともかくとして)、「聖域5品目についてはきちんと国内産業を保護できるだけのタリフラインは守りきった。だから、いいのだ。」という説明が出てくるでしょう。交渉妥結後に「ああ、緒方の言っていた通りになったな」と思っていただけると確信しています。
関税撤廃のところにだけフォーカスを当てました。これだけだと日本が押される話ばかりに聞こえるでしょうが、そうではありません。今、ここでもう少し踏み込んでいかないと、日本が取りたいと思っているものが取れる交渉にはならないでしょう。日本の輸出を促進し、日本の投資を促進・保護し、参加国の国内制度を出来るだけ日本の水準にまで高めていくための取組として頑張ってほしいと思います。(おわり)
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