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2013-09-03 00:00
安倍のロビーイング外交が奏功しだした
杉浦 正章
政治評論家
中韓両国による米国内での反日ロビー活動は勢いを増す一方だが、その割には効果が上がっていない。一例を挙げれば、尖閣諸島の領有権問題での米上院による日本支持の決議だ。これが象徴するものは、依然日米両国には太い相互依存の同盟関係が健在であることを物語ってをり、日本の米議会ロビー活動の成果だ。首相・安倍晋三のひた向きなまでの外交努力は、公平に見て尖閣プロパガンダでじりじりと中国を追い詰めている。韓国も薄汚い慰安婦像などを全米各地に建てようとしているが、米国人が“参拝”に詣でる気配はない。対米ロビー工作は気を抜いてはならないが、中韓がスリのように掠め取る手法なら、日本は逆張りの正攻法でいくべきだ。長い目で見ればその方が勝ち目がある。安倍がひた向きに外遊で首脳外交に専念していると思ったら、“官邸ロビー活動”も展開していた。9月2日には米下院外交委員会の欧州・ユーラシア・新脅威小委員長・ローラバッカーを団長とする超党派の米議員団と会談、日米同盟を強化していく方針で一致した。さる8月15日に米上院外交委員長・メネンデス(民主党)、21日には上院実力者である共和党のマケインと会談した。安倍は、尖閣沖で領海侵犯を繰り返す中国公船の実態や、日本が対話を求めても首脳会談に応じない中韓両国の姿勢やその背景などを直接説明した。マケインは会談後「日本が集団的自衛権を行使できるようになれば、日米同盟は一層強化されるだろう」とのべ、安倍の集団的自衛権行使の方針を強く支持している。尖閣問題についても「日本の領土であることは議論の余地がない。南シナ海と東シナ海で中国から脅威を受けている国々は、共同戦線を張るべきだ」と訴えた。
こうした安倍や外交当局の不断の訴えが奏功して、米上院は7月29日に尖閣問題で重大な決議を採択した。決議は中国軍艦のレーダー照射や今年4月に中国の海洋監視船8隻が領海内に侵入したことを挙げて「緊張をさらに高めた」と批判。尖閣諸島は日本の施政下にあり、日米安保条約が適用されるとの米政府の立場を明記。あらゆる関係国に、地域の安定を損なうような活動を自制するよう求めた。これは年間1兆円の対外広報予算のかなりの部分を対米ロビー活動やプロパガンダに費やしている中国の完敗を意味する。中国でも、できることとできないことがあることを思い知ったに違いない。ニューヨークタイムズやワシントンポストなどリベラル系の新聞には宣伝費と称する工作費をばらまき、対日批判の社説に導くなどの“買収成果”を治めているが、さすがに米議会の買収は一部の議員を除けば容易ではない。
その一部の議員の代表が下院で反日の急先鋒となっているご存じマイク・ホンダだ。何でも言うことを聞いてくれるとあって中韓両国からジャブジャブ政治資金が注ぎ込まれている。費用全額中国持ちの豪華中国旅行もありだ。民主主義のモデルのような米議会でも下院議員のレベルは低く、露骨な反日の言動が通じるから、日本政府への慰安婦に対する謝罪要求決議が可決されてしまう。しかし、せいぜい慰安婦までだ。日米安保体制を揺るがすような動きはできない。韓国は在米170万人の韓国人をフルに活用して草の根レベルの反日工作を展開しており、ホンダはその御輿に乗っているのだ。グレンデール市の公園に慰安婦像を造ったが、ど田舎につくった慰安婦像など米国人は全く関心がないのが実態だ。日本のマスコミも対日嫌がらせをいちいち大げさに報道すべきではない。相手のペースに踊らされるだけだ。韓国は慰安婦以外でも議会にロビー工作を展開している。これまでに竹島領有権問題、日本海の呼称を「東海」へと変更する問題などを働きかけているが、ことごとく失敗している。最近秘密裏に行っているのが、安倍が進める集団的自衛権行使容認に反対するロビー活動だが、失敗だ。集団的自衛権の問題はオバマの極東戦略に合致するものであり、米政府・議会一致して支持される方向だ。大統領・朴槿恵の米議会演説実現はロビー工作が成功した著しい例だが、狂ったように挑発を繰り返す北朝鮮への反感が可能にした側面もある。
こうして最近の中韓による反日ロビー工作は“空転”気味だ。日本は議員を買収するような邪道は避けなければならない。また金をもらっている議員のところに外交官が出かけて、説得活動をしようとしても無駄だ。そのうちに天罰が下るのを待つことしかない。だからホンダなどは相手にせず、ロビーイングを展開するのだ。それには安倍だけに任せておいては体力が持たない。自民党を中心とする議員外交が極めて重要だ。小選挙区制になって外交は票にならないから、最近の自民党は米国に人脈を持った議員がいないが、これを育てることが肝要だ。さらに即戦力になる議員や前議員らも活用すべきだ。歴代の首相、外相経験者を活用するのだ。中曽根康弘、小泉純一郎、川口順子、町村信孝、高村正彦、中曽根弘文、野田佳彦、岡田克也、前原誠司、玄葉光一郎などに“お出まし”を願い、その人脈をフルに活用してもらうのだ。民主党だからといって敬遠することはない。なぜなら鳩山由紀夫と菅直人を除外すれば、首相、外相経験者には外交安保で我が国の方針に齟齬(そご)を来すような人物はいないからだ。超党派によるロビーイングだ。逆に民主党も悪い気はしまい。これに加えて安倍が検討している「内閣情報局」新設を早期に実現し、対外ロビー工作やプロパガンダを受け持たせることも重要なポイントだろう。
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