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2013-07-19 00:00
(連載)TPP交渉と日豪EPA交渉に思う(2)
緒方 林太郎
前衆議院議員
しかし、頭を冷やして考えてみれば、加重されたミニマム・アクセスが重荷になってしまい、5年後には再度見直しをして、当初企図していたミニマム・アクセス+関税化を選択しました。これによりコメ制度の改革が5年遅れたとボヤく改革官僚の話を聞いたことがあります。日豪交渉についてもそれと同じようなことが起きたのではないでしょうか。本来、今回の日豪FTAでは合意できていたものがすっぱ抜かれたせいでダメになったような気がしてなりません。私はTPP交渉入りの前に日豪FTAは合意しておくことがとても重要だと思っていました。
この重要性については茨城の福島伸享議員と常々議論しあったものです。一応、(確立しているかどうかはともかくとして)TPPでは既存の合意されたFTA交渉の内容をリオープンすることはしないということになっています(このルールは、アメリカがオーストラリアとの関係で、米豪FTAで守りきった砂糖の再交渉をしないために編み出されたものだとも言われています)。
ということは、ここで日豪FTAを合意していれば、少なくとも牛肉、乳製品、砂糖、小麦といったオーストラリアから日本への要望品目についてはピン止めすることが出来ていたはずです。日豪の部分だけでも一定の成果をピン止めしておくことがきわめて重要であったにもかかわらず、それが出来ないままTPPに突入するということは、TPPの場でも日豪間で農林水産品等について厳しい交渉が行われるのではないかなという気がするわけです。これはあまり望ましいことだとは思えません。
私は交渉の内情をよく知らないので、以上は邪推かもしれません。ただ、確実に言えることは「TPP交渉入り前に日豪FTAで合意に至らずピン止めが出来なかった」ということです。そこからの私の推論としては「世論ハンドリングに失敗したため」ということになります。以上述べたうえで念のため付言すれば、その他の可能性として「日豪の大筋合意にアメリカから何らかの横やりが入った」、あるいは「本当に大筋合意はなかった」ということもありえますので、私の話は話半分くらいで聞いておいていただけるとありがたいです。(おわり)
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