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2013-07-18 00:00
(連載)TPP交渉と日豪EPA交渉に思う(1)
緒方 林太郎
前衆議院議員
そろそろ、TPP交渉が始まります。色々と言われていますが、この交渉は最後はコンセンサス方式ですから、どんな圧力が掛かろうとも譲れないところは徹頭徹尾合意しないという気持ちを持つことは必要です。どうも、日本国内では「押し切られるのではないか」ということが言われますが、押し切られるというのはこちらもそれで(渋々ながらでも)合意したということですから、その合意をしなければいいだけです。
フランスは、ウルグアイ・ラウンド交渉では一旦欧州委員会が合意してきたブレア・ハウス合意を「ダメだ」と言って引っ繰り返しました。そして、当時のバラデュール政権は輸出補助金のところで同合意を若干押し返して、国内ではヒーロー扱いでした。今次、米EUの自由貿易交渉でも放送部門を除外することを欧州委員会に呑ませています(交渉手法として正しいかどうかはともかくとして)。フランスのこれほどまでの頑迷ぶりを時に見習う必要があるのかもしれません。
ところで、根拠の取れていない筆者の推測ですが、TPPの関係で少々気になったことがあります。それは日豪FTAの扱いです。先般、牛肉等の農産品で低関税枠を設ける方向で「大筋合意」との報道が出たのですが、それを両政府が否定して、そのまま沙汰止みになっています。少々穿った見方かもしれませんが、実は本件で世論のハンドリングを間違えたのではないかと疑っています。あれだけ複数紙が書いたということは、それなりに政府内の誰かがそういう話をしたのだと思いますし、それなりに根拠のある話だったものと思われます。実は報道通り「大筋合意」だったのを、マスコミに抜かれたために、日本国内で纏まりが付かなくなったか、あるいはオーストラリア側が立場を硬くしてしまったかのために、大筋合意と発表することが出来なくなってしまったのではないかと推測しています。
世論のハンドリングというのは慎重の上にも慎重が求められます。ウルグアイ・ラウンドにおいても、日本のコメについての扱いの交渉内容が、韓国の東亜日報(だったと記憶していますが)にすっぱ抜かれて、日本政府はそれを否定せざるを得なかったということでした。私が知る限り、本当はその時点でコメのミニマム・アクセス+関税化を企図していたにもかかわらず、それを否定せざるを得なくなり、結果として勝ち取ったのは「関税化なしの特別扱い。ただし、輸入枠としてのミニマム・アクセスは加重」というものでした。(つづく)
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