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2013-06-19 00:00
プーチン大統領は「理想の指導者」なのか?
飯島 一孝
ジャーナリスト
プーチン氏が大統領に返り咲いてから1年経過したが、プーチン大統領を「理想の指導者」とみなしている人は41%にとどまり、そう見ていない人の方が上回ったことが世論調査で分かった。ただ、大統領の支持率は64%と依然高率を維持しており、代わるべき人物がいないことを示している。10日付けのコメルサント紙(電子版)は、世論調査機関レバダ・センターが5月に実施した世論調査の結果を掲載している。それによると、「プーチン大統領は指導者の理想を体現している」と答えた人は41%で、そのうち6%は無条件で「理想の指導者」と崇めている。これに対し、理想の指導者でないと見ている人が46%と5ポイント上回っている。
また、プーチン大統領の指導力について、「大統領は国内で起きていることに対し責任を自覚している」と答えた人は62%、「内政問題に戦略的な観点で対応している」と答えた人が61%、「国民のニーズに対し丁寧に対応している」と見ている人が45%だった(複数回答)。ところが、政府高官による汚職疑惑が相次いでいるのに、「大統領は部下に対し厳しく行動している」と答えた人は41%、「大統領は側近に依存していない」と見る人が36%と意外に低かった。
この調査結果について政治評論家のコンスタンチン・カラチェフ氏は「指導者と国民の関係はお互いの協力関係に左右される。最初はプーチン氏への期待があったが、今はプーチン氏の退陣後への恐怖感がある。彼以外の対案があるのか、指導者が交代すればもっと悪くなるのではないかという恐れだ」と分析している。また、レバダ・センターのアレクセイ・グラジダンキン副所長は「国民は政治家のどこが強いか、弱いかをよく見ている。だから、政府高官の汚職問題では、部下を厳しく叱責できないプーチン大統領への不満が調査結果に表れている」と話している。
レバダ・センターは今年初めにもプーチン大統領のイメージに関する世論調査を実施している。その結果、「国家安定の保証人」から「経験豊富な大統領」に変わってきたことが明らかになり、大統領の指導力が前回、2期8年間務めた頃より著しく弱まってきたことを示していた。今回も同じことがいえるが、彼に代わる指導者が現れないことが、彼にとって最大の強みであることは間違いない。
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