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2013-05-29 00:00
メドベージェフ露首相、今秋までに退陣か?
飯島 一孝
ジャーナリスト
ロシアのプーチン大統領がメドベージェフ首相に対し、矢継ぎ早に政府の活動全般を活発化するよう指示している。首相の腹心だったスルコフ副首相の解任後も事態が改善されないため、メドベージェフ内閣総辞職の時期が検討され始めたとの見方が強まっている。23日付けの有力経済紙コメルサント(電子版)は、プーチン大統領から首相への指示が再び出されたことを伝えるとともに、「これは内閣総辞職の時期が検討され始めたと同じことだ」という政治評論家のコメントをつけた記事を流した。この背景には、大統領の首相への不信感が高まっていることがあげられる。
大統領は3期目の就任から1年経った8日、就任時に出した政府の活動計画に関する大統領令が実行されていないと批判し、スルコフ副首相兼内閣官房長官を解任した。しかし、その後も命令が実行されていないとして再度、命令を実行するよう指示を出したのだ。この再指示について政治評論家のクイネフ氏は「内閣総辞職の時期が検討され始めたと同じことで、メドベージェフ・グループが弱体化したことを示している」と分析している。また、メルズリキン元内閣官房長官は「お決まりの首相を落としめる言動である」と指摘している。
メドベージェフ氏は昨年5月、プーチン氏が大統領に就任すると、大統領から首相に交代し、さらに与党「統一ロシア」の党首も兼任した。だが、経済状況がなかなか好転しないことなどが重なって「首相の仕事は大統領の仕事よりも大変だ」と嘆いていた。こうした状況を反映して、メドベージェフ首相の支持率が徐々に下がってきた。昨年5月の世論調査では、首相を支持している人が64%だったのに、現在は53%に9ポイントダウン。逆に不支持は1年間に35%から46%に11ポイントアップしている。
一方、民主派陣営でも、メドベージェフ首相のリベラルなイメージへの期待があった。だが、与党の党首に就任する際、首相自ら保守主義者を宣言、プーチン陣営にとどまったことから期待が急速にしぼんだことも挙げられる。00年にエリツィン政権を引き継いだプーチン大統領は、エリツィン時代に任命されたカシヤノフ首相を約4年間使い続けた。それだけプーチン氏には我慢強い面があるが、当のカシヤノフ氏も「メドベージェフ氏は秋までには解任され、クドリン元財務相に代わっているだろう」と予測している。大学の先輩後輩の関係も、そろそろ我慢の限界かもしれない。
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