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2013-05-21 00:00
(連載)米欧の狭間と日本(2)
緒方 林太郎
前衆議院議員
さて、日本がこれからアメリカ、欧州と同時に経済連携協定を交渉していこうとする際に、この「地理的表示」の問題がかなり圧し掛かってくるでしょう。欧州からは「ワイン、蒸留酒以外にも保護を広げろ」と言ってくるでしょうし、米豪からは「地理的表示の保護拡大には反対」と言ってくるでしょう。欧州はありとあらゆる譲歩には「地理的表示の保護」を絡めてくるはずです。「自動車の関税を下げるのであれば、地理的保護の強化・拡大を認めるべし」といった感じです。
農林水産省は地理的表示に関して、法制化を考えているようですが、日本農業新聞によると経済産業省や特許庁、更には内閣法制局との関係でかなり苦労をしているようです。どういう方向性なのか、私は知りませんが、そもそも国内の特許制度や不正競争防止等との関係での整理が難しいのだろうと思います。この地理的表示は単なる「偽装表示」を禁ずるというものではなく、その表示そのものに価値があるものを守ることが主眼ですので、どうもそのあたりで苦労しているのではないかなという気がします。
いずれにせよ、この件は何処かで「どのスタンダードを選ぶのか」という決断が迫られるでしょう。そして、それを国際交渉の中で貫徹していかなくてはなりません。その上で参考になるのは、米欧と既に経済連携交渉を締結している韓国のケースです。韓国がどう整理、対応したのかは参考になると思います。
あまりピンと来ない方も多いと思いますけど、輸入物が多いスーパーを少し歩いてみると、この地理的表示の問題がかなりあることに気付きます。まあ、フランスが求めている保護すべき地理的表示を見ていると「エクサン・プロヴァンスのオリーブオイル」とか「アルデシュ産栗」とか「イシニー産バター」とか、「いやいや、そんなものが日本市場でネームヴァリューがあるとは思えませんけどね」というものが散見されるわけですけど(どうでもいいことですが、イシニーというのはディズニー家の出自です。”d’Isigny”が”Disney”に変化していっています)。さて、日本はどちらを取るか、とても興味深いテーマです。(おわり)
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