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2013-03-26 00:00
(連載)習近平の最初の訪問先について思う(2)
緒方 林太郎
前衆議院議員
ただ、たしかにキクウェテ大統領は、今のアフリカの首脳の中で最も期待できる人物です。大統領就任前は外相を10年ほど務めており、その在任期間中、大湖地域の紛争処理で活躍し、名を馳せました。中国が何故タンザニアを選んだのかを知る由もありませんが、東アフリカの安定勢力としてのタンザニア、そして名君の呼び声高いキクウェテ大統領に注目したと仮定するならば、その選択はなかなか賢明だと思いたくなります。
そして、コンゴ共和国の大統領のドゥニ・サスー・ンゲッソーは相当に古株で重鎮です。1979年から1992年にかけて、および1997年から現在まで大統領の職にあり、単純に計算したとしてもその在職期間は28年以上となります。これほど長いのは、西部・中部アフリカでは他にはカメルーンのポール・ビヤくらいでしょう。なお、サスー・ンゲッソーは下野している期間(1992~1997年)の大半を、当時の大統領のパスカル・リスバ氏と内戦を繰り広げていたという、何処か血気盛んなところのある大統領です。
コンゴ共和国には石油が出ます。あまりよく知りませんがダイアモンドも出るというふうに聞いています。ただ、習近平が石油目的で訪問するなら、もっと石油の出る国は他にもあります。中部・西部アフリカ(大半が仏語圏)の中で重鎮の大統領を選んだのかなと推測できないわけでもありません。一般論として、アフリカ諸国間には「長老政治」の文化があり、少々内政的手腕に難のある首脳であっても長く務めている人の意見が大事にされます。例えば、アフリカの何処かで紛争が起こると、大体にして古株で重鎮の大統領が調停役になることが多いです。そもそも、中国はアフリカ諸国の内政には不干渉ですから、中部・西部アフリカでは純粋に古株で重鎮の大統領が在任する国を訪問先に選んだのかなとも思いたくなります。
よく分からない中、あれこれと書きました。多分、私の稚拙な見方は外れているんじゃないかなと思いますが、中国の奥の院で決まっていることですからこれは誰にも検証できません。いずれにせよ、押さえておくべきは習近平の最初の訪問先がアフリカであるという事実です。日本の首脳クラスが、就任早々アフリカに行くことは想定されないということを考えれば、その差は歴然としています。なぜなら日本では小泉政権ほどの長期政権にならない限り、なかなか総理のアフリカ訪問の機会はないからです。(おわり)
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