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2013-03-25 00:00
ロシアの政商ベレゾフスキー氏が不審死!
飯島 一孝
ジャーナリスト
エリツィン政権時代、政商としてロシアの政財界を牛耳ったボリス・ベレゾフスキー氏が3月23日、亡命先のロンドン郊外の自宅で死亡した。67歳だった。自殺したとの報道もあるが、現地警察は不審死の可能性もあるとみて捜査している。私が1990年代にモスクワ特派員だった頃、ベレゾフスキー氏は新興財閥の総帥として売り出し中で、単独インタビューをしたこともあり、忘れられない人物である。1996年の大統領選では、エリツィン大統領の再選に尽力し、その後も病床の大統領を操って政界を動かしていた。ところが、プーチン氏が大統領に就任すると、新興財閥の影響力を弱めようとする大統領と対立し、英国に亡命を余儀なくされた。
その後は「プーチン憎し」の思いから、亡命先で様々な敵対工作を仕掛けたが、功を奏しなかった。とくに、リトビネンコ元KGB中佐の怪死事件では関与を疑われたが、なんとか逃げ切った。だが、最近は石油利権をめぐる訴訟で敗訴し、破産状態だったとされる。ペスコフ・プーチン大統領報道官がインタファクス通信に語ったところでは、2,3ヵ月前、ベレゾフスキー氏から大統領あてに手紙が届いた。その中で同氏は、大きな間違いを犯したことを認めて謝罪を請うとともに、「祖国に帰れるよう助力してほしい」と大統領に頼んだという。
同氏はユダヤ系ロシア人で、ソ連崩壊の混乱時に数学者から実業界に転身。自動車販売会社を起こし、車の転売で巨額の資産を得た。その資産と政界への影響力を行使して自動車販売業だけでなく、メディア、航空業界などを支配していた。私がインタビューしたのは同氏が爆弾テロに遭い、運転手が死亡、本人も負傷した直後で、事務所に入る際、厳しいセイフティチェックを受けた。インタビュー中も携帯電話がひっきりなしに鳴り、落ち着いて話を聞けなかった記憶がある。
一代で巨額の富を築いたものの、亡命先で破産状態になり、政敵のプーチン氏に帰国の嘆願をするのは無念だったに違いない。不審死で捜査を受けることになったのも、身から出たサビといえるが、今はロシアの動乱期を一緒に過ごした者として、心から冥福を祈りたい。
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