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2013-02-04 00:00
(連載)マリ、アルジェリア情勢を読み解く(1)
緒方 林太郎
前衆議院議員
マリのクーデター、そして、その後、イスラム勢力AQMI(Al-Qaida au Maghreb Islamique)によるマリ北部地域の制圧、フランス軍の空爆、アルジェリアへの波及と、非常に西アフリカ情勢が大荒れです。かつて、セネガル大使館勤務時にマリ担当として幾度となく首都バマコを始めとして出張した身としては残念でなりません。今回、アルジェリア南東部イン・アメナスでの人質事件では41名とも言われる関係者が人質に取られました。
これはフランスの新聞を読んでいれば誰でも分かっていることなのですが、マリの混迷する情勢に対する国際的な介入は、アルジェリアの同意が鍵だということは幾度となく語られていました。理由は後で書きますが、時折『ル・モンド』を読んでいるだけでもそういう内容の記事がかなりありました。詳細は知りませんけども、今回、フランスがアルジェリア領空内を通ってからの空爆を含む軍事介入したのを見て、私は「ああ、何処かでアルジェリアとの調整が付いたのだろうな」と思っていました。日本の外務省も国連で、パリで、そして現地での情報収集で、アルジェリアと国連安保理常任理事国との調整内容をある程度は知っていたはずです。
アルジェリアという国は、ちょっと意外に思うかもしれませんが、面積的にはアフリカ最大の国です。かつてはスーダンが最大でしたが、南スーダン独立後はアルジェリアが最大となっています。同国の転機は1991年の選挙で、イスラム勢力が圧勝したのを受けて、軍がクーデターを起こして選挙を無効とし、暫くはゼルーアル大統領の下で軍政の状態でした。それを機にイスラム勢力が反政府勢力としてサハラ砂漠を後背地として暴れていました。私がフランスにいた当時は、首都アルジェ市内でもテロ行為が頻発しており、在アルジェリア日本大使館勤務というのは世界でも有数の難関地とされていました。大使館と住居を一つの敷地内に置き、敷地外への外出は基本的に禁止であり、外出する際は防弾車で移動というライフスタイルでした。1999年に民政移管して、アブデルアジーズ・ブーテフリカ大統領が選出されてからはかなり収まってきていましたが、それでも非常事態宣言は最近まで継続していました。
何故、マリ情勢への国際的な介入がアルジェリアの同意を要するかと言えば、色々とありますが、私は3つの要素があると思います。一つ目は、そもそもアフリカの地で旧宗主国フランスが軍事攻撃をすることに対する根源的な反発、そして、それに乗じて反政府活動を活発化させるイスラム主義者の存在というのがあるでしょう。二つ目は、やはりリビア情勢でカッザーフィーから重火器を与えられてしまったイスラム主義者(AQMI)がマリに流れましたが、マリにだけ流れ込んだわけではなく、勿論、アルジェリアにも流れ込んでいます。そこに火が付くとアルジェリア内政に跳ね返るというのがあります。(つづく)
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