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2013-01-08 00:00
(連載)2014年以降の米国のアフガニスタン戦略(1)
河村 洋
外交評論家
アフガニスタンから始まった「テロとの戦い」は、2014年に国際治安支援部隊(ISAF)からアフガニスタン治安部隊に権限が完全に委譲されることで、ひとつの節目を迎える。ISAFの撤退を前にテロリスト達は活動を活発化させているが、アフガニスタンは「テロとの戦い」の場にとどまらない重要な国である。北には天然資源に恵まれた中央アジア、西にはイラン、東には核競争の最中にあるインドとパキスタンをひかえている。バラク・オバマ大統領はイラク戦争には懐疑的であったが、アフガニスタンについては「テロとの戦い」の最前線として位置づけている。また、レイモンド・オディアーノ陸軍大将は6月6日の英国王立国際問題研究所での講演で、インド亜大陸の安全保障とも強く関わるアフガニスタンをアジア太平洋地域に含めている。
オバマ政権がアジア重視戦略を打ち出したからといって、アメリカの安全保障におけるアフガニスタンの戦略的重要性が低下するわけではない。アフガニスタンの地政学的地位を考慮すれば、同国でのテロ掃討作戦は、中東からアジアに重点を移すというオバマ政権の戦略の妥当性を占う試金石ともなるだろう。以上の観点から、2014年以降のアメリカのアフガニスタン戦略を検証したい。
上述のようなアフガニスタンの重要性にもかかわらず、大統領選挙においてアフガニスタンは主要な争点ではなかった。その理由として、アメリカン・エンタープライズ研究所のアーマッド・マジディヤール上級研究員は、「選挙の最大争点は経済であり、これは財政の崖をめぐる現在の議会での攻防にも反映されている。さらにアメリカの有権者達は長い戦争による戦費と死傷者数に嫌気が差している。バラク・オバマ氏もミット・ロムニー氏もそうした理由からアフガニスタン問題を議論しなかったかも知れないが、だからと言ってアメリカの安全保障のうえでアフガニスタンおよびパキスタン両国の重要性が低下するわけではない」と説明している。
ISAFの2014年の大幅な撤退を前に、タリバンとアル・カイダは再び活発な動きをみせている。反乱分子の脅威を抑えるために、バラク・オバマ大統領とハミド・カルザイ大統領は、2012年5月に戦略提携合意に至り、アフガニスタン・パキスタン国境地帯における軍事的プレゼンスの維持とアフガニスタンのテロ対策部隊の訓練を実施することになった。NATOのアレクサンダー・バーシュボウ事務局次長は同年11月12日の演説で「2014年の大統領選挙がアフガニスタンの治安の行方に大きな影響を持つ」と述べている。(つづく)
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