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2012-12-20 00:00
「政治主導」スローガンの誤り
石崎 俊雄
龍谷大学教授
ようやく第46回総選挙が終わり、今後数年間の方向性が見えてきた。選挙の中でもたびたび口にされたのが「政治主導」という言葉である。これに対する言葉は「官僚主導」とされ、両者を比較するとイメージ的にはかなり「政治主導」のほうが良さそうに思えるが、一体実態はどうなのであろうか。
少なくとも、ここ数年「政治主導」を口にする政治家が行ってきたことは、「素人政治」であり「無知政治」であった。国家をこうしていきたいという民意は非常に重要で尊重されるべきものであるが、それを実現するための手段やアプローチが支離滅裂であれば全く意図しない結果になり、最悪の場合は正反対の結果を生じさせるのが「素人政治」である。近年、民意を国政に反映させると言って国会議員になった多くの素人代議士は、「このような行為をすればこういう結果が生じる」という因果法則を理解しているのであろうか。私には到底理解しているようには見えないのである。やはり、「政治主導」というスローガンは誤った意味で使われていると言わざるを得ない。
これに対して、「官僚主導」という言葉は本当にダーティーなイメージであるが、最近の高級官僚は昔よりも質が低下したとは言え、素人政治家よりもはるかに熱心に勉強をし、政治における因果法則を深く理解している。世の中をこういう方向に導くためにはこういう政策を採ればいいという政策立案能力は明らかに高級官僚のほうが多くの政治家よりも上である。
したがって、この国をどういう方向に導くべきかという政治家の高い見識・指導力と高級官僚の知識・政策立案能力を組み合わせることが重要ではないだろうか。安易に「政治主導」という言葉で政治を引っ張っていくことは、政治家にとっても自殺行為である。次期政権は、もっと官僚をうまく使いこなして先が見通せる政策を次々と進めていってもらいたいものである。
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