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2012-12-10 00:00
メドベージェフ露首相、来春にも辞任の予測!
飯島 一孝
ジャーナリスト
ロシアのメドベージェフ首相が来春にも辞任し、後任にはロゴージン副首相が就任するとの予測が出ている。プーチン政権内の権力闘争の結果、リベラル派が排除され、保守派が勢いを増すという見立てだ。一方、プーチン大統領はギリギリまで首相を温存するとの見方もあり、先行きは不透明だ。ロシア紙『イズベスチヤ』によると、グローバル問題研究所のミハイル・デリャーギン所長ら専門家グループが来年の政治状況の予測を報告書としてまとめたという。同報告書は、『2013年、リベラル派の排除』とのタイトルが付けられ、「メドベージェフ内閣は数カ月後に交代する」と結論づけている。
デリャーギン所長らは同報告書の中で、「汚職との闘いで正当化された政権内の権力闘争は規模が拡大し、予測不能の状態に陥り、政権にとって危険な性格を帯びている」と指摘している。さらに、「来年に入ると権力闘争は次第に減速するが、首相の側近が離れて行き、首相を守れないほど弱体化する」とし、「来年3、4月ごろメドベージェフ内閣は総辞職に追い込まれるだろう」と予測している。また、メドベージェフ首相の退陣が早まる要素として、スクルィーニク前農業相周辺のスキャンダルを挙げている。その理由は、前農業相が首相に近いからで「まさに彼女が首相の政治家としての将来を握っている」と指摘している。
さらに、デリャーギン所長らは、首相ポストの妥当な後継者として政治家の間で、ドミトリー・ロゴージン氏の名前が挙がっていると指摘しつつ、「状況はまだ変わるかもしれない」と、断定は避けている。ロゴージン氏は保守派の指導者の一人で、次期首相候補としてしばしば取り沙汰されている。一方、大統領府の顧問だった政治評論家パブロフスキー氏は「クレムリンは近く首相退陣があると見ており、それを否定もしていない。問題は退陣の時期で、プーチン大統領はメドベージェフ首相に具体的な条件を提示するのではないか」と語っている。
また、リベラル派のユルゲンス現代発展研究所長は「メドベージェフ首相がすぐ退陣するとは思わない。ただ、政権にとって深刻な事態が起きれば、プーチン大統領は首相に内閣の総辞職を求めるのではないか」と述べ、決定的な段階で首相に責任を取らせるとの見方を示した。セルジュコフ国防相の解任で明るみに出た汚職の蔓延で、プーチン大統領の支持率が昨年暮れのレベルにまで急低下している。政権の地盤沈下を食い止めるには、大統領を務めたメドベージェフ首相を解任するのが一番効果的だ。だが、そうなるとタンデム政権(双頭体制)は完全に崩壊し、政権は不安定になるだろう。プーチン政権の終わりの始まりになるかもしれない。
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