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2012-12-04 00:00
プーチン大統領の支持率、昨年暮れ並みに低下!
飯島 一孝
ジャーナリスト
プーチン大統領の支持率が、議会選不正抗議運動が燃え上がった昨年暮れのレベルまで下がっていることが、ロシアの有力世論調査機関の調べで明らかになった。この背景には、汚職が蔓延し、国防相の解任などに発展していることがあるとみられ、プーチン政権への不信感が一気に強まる可能性もある。11月30日付けのロシア紙『コメルサント』(電子版)によると、社会世論基金が先週末に行った世論調査では、プーチン大統領を「支持する」と答えた人が41%で、「支持しない」が24%だった。昨年12月の調査では、「支持」が45%、「不支持」が24%だったので、支持率が4ポイント下がり、「不支持」は同率になった。
また、レバダ・センターの調査も同時期に行われたが、プーチン大統領の支持率は10月の67%から63%に4ポイントダウンした。さらに5、6人の政治家の中から1人を選ぶ調査では、プーチン氏を選んだ人は34%にとどまり、先月の調査時の39%から5ポイント下がった。その一方、この1ヵ月間でぐんと注目度が上がったのは、解任されたセルジュコフ国防相の後任に任命されたショイグ元非常事態相で、11%から16%へ5ポイントアップした。プーチン氏の支持率は、大統領に返り咲いた今年3月以降、上昇に転じ、今年夏には昨年秋以前に戻り、回復したかと思われていたが、先月の調査で今年最低を記録した。この結果について、大統領府高官は「支持率はその都度動くもので、今回はセルジュコフ国防相の汚職に絡んだ解任で下がったが、また戻りつつある」と語り、一時的現象とみている。
世論調査機関の中にも、「プーチン大統領が優位を占めている状態に変わりない。支持率の変化に一喜一憂する必要はない」とみる専門家もいる。だが、レバダ・センターのグドゥコフ所長は「昨年秋以降に失われた政権への不信感は今も消えていない。今回の汚職スキャンダルは、市民が政権崩壊の感じを強める理由になっている」と分析している。レバダ・センターは今回の調査で、プーチン大統領が恒例としていた、テレビを通じた「国民との対話」をキャンセルした理由についても質問した。大統領が生中継で国民から寄せられるたくさんの質問に答える番組で、毎回4時間以上、国民とのやりとりが行われていた。この件について41%の人が「今年は厳しい質問が予想されるためキャンセルしたのだろう」と答え、9%の人は「健康問題で聞かれるため」とみていた。ここにも国民の“プーチン離れ”が垣間見える。
大統領府は「国民との対話」に代えて、内外のジャーナリストとの記者会見を12月に行うと発表した。さらに、一時取りやめていた外遊を再開することを明らかにし、健康に不安がないことをアピールしている。だが、一度燃え上がった国民の不信感は簡単には消えない。今こそ、国民の支持を取り戻す抜本的な対策が必要とされているのではないだろうか。
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